PAUL FEIG'S MIXED BLESSING

お洒落監督の流儀
―ポール・フェイグ―

August 2020

text tom chamberlin photography robert spangle

サンドラ・ブロック主演の痛快アクション・コメディ、『デンジャラス・バディ』(2013年)で監督を務めたポール。

 では、何が変わったのだろうか?

「最大の違いは能力主義ということです。とにかく有能であること、目の前の仕事を一生懸命やることが求められます。ただやっただけでは意味がないのです。かつて存在した困難はなくなりましたが、それに代わる困難にキャリアを通じて向き合うことになります。プレッシャーと資金繰り、政治的付き合いを除けば、友人を集めて業界の共感を呼ぶような映画をつくろうとすることと何も変わりません。“あの人を起用して、彼らにやらせてみよう”――これは私がより大きな規模でやっていることと同じ。私たちがやっていることが悪くないかどうかを確かめようとしているわけです」

期待される待機作 ポールがいなければ、ロックダウン期間はまったく違うものになっていただろう。でも、アフターコロナでも心配はいらない。彼を求める思いは満たされるはずだ。ポールの謙虚さとは裏腹に、彼のスケジュールを見れば、引く手あまたであることがわかる。先述したように、彼はあるパイロット版を撮影していた。

「ドキュメンタリー形式で撮影したので、16分間のプレゼンをカットできるほど撮れ高が多く、気に入ったテレビ局からさらに脚本3本の依頼がありました。これは『This Country(原題)』というBBCドラマのリメイクなんです」

本記事は2020年7月27日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 35

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14

Contents