Thursday, September 6th, 2018

LUCA CORDERO DI MONTEZEMOLO

世界一の洒落者、そのワードローブとは?

text miki takana photography alberto zanetti

書斎にはミケランジェロ・ピストレットが氏のために作った、若き日のフェラーリ時代の写真を貼り付けた壁一面のミラーが。モンテゼーモロ氏にとってフェラーリは彼の生涯そのものであること、そして変わることのない深い愛が、自宅にあるさまざまなフェラーリ所縁の品から感じられる。

 息を吹き返したもうひとつの斜陽企業そんなモンテゼーモロ氏は、今またアリタリア航空において再建劇を仕掛けている。一時は倒産寸前状態にまで経営が悪化し、買収や支援の話もなかなか決まらなかったアリタリア航空が、現在全世界に快調に航路を広げている。

「私は自分が最初のクライアントであることを常に想定しています。今までもまずは私が欲しいものを作ってきました。それは、私が納得するものは顧客も納得してくれると信じているから。アリタリア航空の乗客に対しても同じ。私の家にお客様が来てくださったらもちろん大切に扱います。それと同じような気持ちで乗客をもてなすべきだと思っています」

 モンテゼーモロ氏のもとで、そのサービスは劇的に向上したのだ。

大物こそ周りを大切にする そういえば、我々はインタビューの約束時間より30分も早く着いてしまい、ご自宅のインターホンを押すのを遠慮してしばらく門前で待っていたのだが、そこに(たまたまちょっと早めに)戻ってきた氏は激しく動揺し、我々に平謝りを続けるのと同時に、使用人が中に入れないで客を待たせたのかと思って怒り始めるほどだった。これまで世界的に有名な重鎮から駆け出しのデザイナーまで、さまざまな人にインタビューをしてきて、大物こそ周りの人間を大切に扱うものだというのは常々感じていたが、その最たる例がモンテゼーモロ氏だと思う。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 09
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