April 2018

‘LOOK AT THE WHO! THEY USED EXPLOSIVES!
HOW DID WE GET THE REP?’

レッド・ツェッペリンが残した
クレイジーすぎる伝説の数々

text josh sims

プライベートジェットでオルガンを弾くジョーンズ。

 しかし何より素晴らしかったのが、彼らの音楽そのものである。圧倒的なパワーと熱気を感じさせ、壮大かつ自由奔放なアレンジを取り入れた叙事詩的な演奏は、本物の技術があるからこそ成せるものだった。彼らは新しいものを創作する才能にも長けていた。

 レッド・ツェッペリンが古い時代の男らしさを体現する典型的なロックバンドだとしたら、ひとつのジャンルに括ることはできない。すなわち、彼らはブルースバンドやフォークバンドでもあったといえる。ペイジは、フォークフェスティバルでバンドが何をやるつもりか聞かれた際、「そりゃ、全部フォークに決まってるだろ」と反論したことがある。

 彼らはステージでもレコーディングでも、いつもアドリブ演奏だった。だから聴くたびに新しいバージョンを楽しめたのだ。

ガチかネタか、人気に貢献した噂 こうした彼らのパイオニア精神も、あまりにクレイジーな噂の数々ですっかり影が薄くなってしまった。もちろんすべてが真実ではないし、すべてが嘘でもないのだろうが、ボーカルのロバート・プラントがとある思い出について語ったときの、「乱気流の中のオーラルセックス(がいかに素晴らしかったか)」という言葉に、浮世離れした彼らのライフスタイルがよく表れているかもしれない。

 コールは主張している。「すべては若者たちの遊びにすぎなかった。その多くはアルコールのせい。揶揄されるほど悪質なものではない。ツアーというのは大変なんだ。だから当時は行きすぎた行動とは思えなかった。人生はサーカスのようなもの。一生に一度のチャンスが巡ってきたときに、それを掴むか手放すかだ。俺たちはそれを確実に掴んだだけ」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 20
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