フランク・シナトラは
歴史上最も有害なセレブだったのか？

後の妻、女優エヴァ・ガードナーと。

2. 彼は徴兵をかわした　歴史家のウィリアム・マンチェスターは、かつてシナトラは“第二次世界大戦で最も嫌われた男”であったと書いている。なぜなら恋人や夫が海外で戦っている間、アメリカ人女性のアイドルであったからだ。彼は徴兵をかわしたと噂されていた。

　本当の理由は彼の鼓膜に穴が空いていたからだ。シナトラは密輸業者のトラックを守ることで生計を立てていた父と、55あるイタリア語の方言すべてを話すことができるという理由で、近所のカウンセラーをしていた母の間に生まれた。その誕生は悲惨なものだった。乱暴に扱われた鉗子が、鼓膜を突き破ってしまったのだ。徴兵を回避するために、ヨーロッパに行ってお金を払ったという噂を否定して、彼は叫んだ。

「アンクル・サムから不採用通知をもらったんだ」

　それに、シナトラが戦うことを恐れていたとは思えない。彼は頻繁に暴力を振るうことを“シチリア人の気性”としていた。彼の妻バーバラは「フランクにはジキルとハイドのような面がある」と話している。