October 2018

IN STEP WITH THE TIMES
“THE RAKE”に愛された男

text jola chudy
photography emanuele scorcelletti

ローマのコロッセオの前に立つデッラ・ヴァッレ。トッズ・グループは闘技場修復プロジェクトのメインスポンサーを務めている。

「彼はトッズにとって理想の存在でした。強く、チャーミングで、イタリア的でリッチで……そしていつも女性たちに囲まれていた」

 アニェッリの着こなしは、世界中の男性に影響を与えた。腕時計をシャツの上からする、BDシャツのボタンを外す、そしてスーツにトッズのドライビング・シューズを合わせる……彼のお陰で、ゴンミーニは爆発的ヒットとなる。

「その頃、私は故郷の小さな村にいて、50人の靴職人たちと、ひたすら素材と作りのよさを追求していました。結果的に、マーケティングは大成功しましたが、その時は世界的な成功を狙ったわけではありません。若さゆえのパワーが、幸運を引き寄せたのですね」

 その成功は、イタリアという国がもたらしてくれたものだという。

トッズのドライビング・シューズを履く“THE RAKE”ことジャンニ・アニェッリ。フィアット元会長にして、イタリアを代表するファッショニスタだった。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 24
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