GUIDE TO MILANESE TAILORING
ミラノの4大テーラー、徹底研究
November 2020
フランチェスコがソラーロのダブルジャケットのラペルを縫い合わせるのを見ていると、彼らのジャケットは、中身は同じでも、典型的なミラノ風ではないのではないかと思ってしまう。ムゼッラのジャケットは、わずかにルーズフィットで、襟が高く、たとえ肩の幅が狭めで、袖山がロールしていても、常にパッドが入っている。
ひとつのディテールが、その証拠である。彼らはより少ないボリュームのポケットを作製するように、その裏地を不規則に縫い付けている。
—ミラノテーラーその3—
【F.カラチェニ】
フェルディナンド・カラチェニのジャケットには、ボリューム感とプロポーションが欠かせない。私はここのジャケットが、ノスタルジックということもあって、個人的にとても好きだ。
フェルディナンドの娘であるニコレッタは、今から8年前、私がイタリアのテーラーを取材し始めたときに、初めてインタビューした人物だ。当時の私の仕立て服に関する知識は、控えめに言っても限られていたが、私はすぐに、生地と縫製の世界に魅了された。ニコレッタは私がテーラーリングというものに夢中になるきっかけを与えてくれた人物だ。