GUIDE TO MILANESE TAILORING

ミラノの4大テーラー、徹底研究

November 2020

text fabio attanasio photography massi ninni

ラモナルカ氏(左)、アルド・インヴェッティ氏(中)、ゼルボーニ氏(右)。

「それは結婚生活と似ていて、お互いのことをあまり知らないほうがうまくいくんです」

 結論を言うと、このガイドで詳細に観察した4人のテーラーには、共通する部分がある。ジャケットのフロント部分の成形に使われている素材、ほぼ必ず使用されている肩パッド、そしてスタイルによって使い分けられているシームだ。

 さて、話を元に戻すと、ミラネーゼ・ジャケットというものは存在しているのだろうか? カラチェニのスタイルがさまざまな形で存在していることは間違いない。しかしサイズやプロポーション、テーラーの好みが作品に影響を与え、それぞれのテーラーはユニークで、他に類を見ないものになっている。洗練され、構築的なミラネーゼ・スタイルというものは確かに存在するが、ひとくくりでは語れないというのもまた事実なのだ。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 36
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