CHRISTIE’S JAPAN

落札記録を更新し続けた
オークションの世界

June 2021

2020年、コロナ禍にもかかわらず落札記録を更新し続けていたオークション業界。
世界最古のオークションハウス「クリスティーズ」の日本支社を取材した。
photography Christie’s Images Limited 2021

昨年初開催となった、世界各国の会場を中継で繋いだリレー形式のハイブリッド型オークション『ONE: A Global Sale of the 20th Century』の様子。写真の作品は、ロイ・リキテンスタインの《Nude with Joyous Painting》。2020年の最高額となる約49.3億円で落札された。

 昨年、ライブオークション(ひとつの会場で自身の希望額で落札の意思を示して進められるオークション)の開催を一時断念し、約半年間もオンラインオンリーオークション(24時間参加できるいわゆるネットオークション)のみの開催しか許されなかった「クリスティーズ」。苦境にもかかわらず、オンラインオンリーオークションの総売上を前年比262%まで伸ばし、世界各国をリレー形式で繋いだ業界初の試みとなるハイブリッド型オークションでは、ロイ・リキテンスタインのアートピース(上写真は落札時の様子)が落札最高額約49.3億という驚異の数字を記録した。クリスティーズ ジャパン代表取締役社長の山口桂氏は、2020年をこう振り返る。

「今まで一般的だったライブオークションがほぼすべて中止されたことで最初はどうなることかと思いましたが、必然的にオンラインオークションに参加してくださる方が増えました。海外旅行ができず、オンラインでの買い物が主流となった風潮により、弊社のお客様も、慣れないオンラインでの参加に抵抗がなくなったようです。70%以上あれば成功といわれている平均落札率も81%となり、特に9月の『アジア・アート・ウィーク』では、落札総額が昨年の2倍以上になりました。他にも、1回のオークションで14名ものアーティストが自身の最高落札額を更新するなど、活気のあるものばかりでした」

 時計部門担当の玉置雅司氏もこう語る。

次々に落札された超高級品の数々136ものアイテムで記録を更新したラグジュアリー部門(宝石・時計・ワイン等)は、オンラインにもかかわらず驚きの価格で落札されたものばかり。

チタン製ケースに年次カレンダーとミニッツリピーターを備えた、パテック フィリップのグランドコンプリケーション。世界で一本しかないユニークピース。落札額は2020年の時計部門第一位となる約2億円。Christie’s(クリスティーズ ジャパン Tel.03-6267-1766)

日本人によって約1.3億円で落札されたのは、パテック フィリップ初の自動巻き永久カレンダーを搭載したモデル「Ref.3448」。Christie’s(クリスティーズ ジャパン Tel.03-6267-1766)

本記事は2021年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39

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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

いま超高級品が元気!

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