Friday, April 20th, 2018

ALL THE RIGHT MOVES

トム・クルーズ
—トップ俳優の努力と執念

text shiho atsumi All Photo by Photofest/Getty Images

トム・クルーズ最大のフランチャイズ「ミッション:インポッシブル」シリーズ。1作目の印象的な場面。

度量のあるプロデューサーとして
意欲作を次々生んだ21世紀
 そして怒涛の21世紀は『M:I-2』から始まる。自身で初めて製作した『ミッション:インポッシブル』(1996年)は当初、続編を作る気はなかったらしい。だがこのシリーズで、彼はプロデューサーとしての新人発掘の才能を開花させてゆく。その最大の抜擢は、約10年後に「スターウォーズ」シリーズの総元締めとなる、当時の新人監督J.J.エイブラムスだろう。彼は当時、プロデューサーだったトムについてこう語っている。

「(『M:i:III』の)撮影を始める前に、キャメロン・クロウに電話して、アドバイスを求めたんだ。だって彼はトムと2本の映画(『ザ・エージェント』『バニラ・スカイ』)を作っているからね。彼は言った。“甘やかされるぞ”。まったくその通りだったよ。トムは思いつく限りで、最もよく働き、最も集中し、寛大で、最も熱心なコラボレーターだ。初めて世に出た監督の僕にトムは言った。“僕は君の俳優で、君が監督だからね”。トムは僕を支持し、勇気づけ、協力し、盛り上げてくれた。そうじゃない日なんて、撮影の間一日もなかったね」

 もちろん製作者として新たな才能の発掘や作品を仕掛けることと並行しながら、自身の俳優としての活動もまったく疎かにしていない。スティーブン・スピルバーグ監督作の『マイノリティ・リポート』(2002年)と『宇宙戦争』(2005年)、念願の『ラスト サムライ』(2003年)に加え、マイケル・マン監督の『コラテラル』(2004年)で初めて演じた極悪の殺し屋(「12歳の時に最低の父親を殺してやった」とうそぶくのだ!)と、ベン・スティラー監督の『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008年)で演じたハゲでメタボな映画プロデューサーなど、これまでのトムにはあり得なかったキャラクターで世の中をアッと言わせた。

 2000年から2012年の間に、彼が製作した作品は13本(出演作7本、製作のみ6本)、主演作11本、助演作3本、カメオ出演1本。こんなスターはこの世界のどこを探しても、トム・クルーズのほかにはいない。

シリーズを追うごとにスケールを増してゆくそのアクションは、世界一高いドバイのビル、ブルジュ・ハリファの壁を登る。
(『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』)

THE RAKE JAPAN EDITION issue 18
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