EMPIRE OF THE SONS

地球上で最も裕福な一族、ロスチャイルド家の系譜

April 2024

text james medd

一族の変わり者 数多い一族の中には、もちろん変わり者もいる。第2代ロスチャイルド男爵のウォルター(1868~1937年)は、一族が所有するカントリーハウスの一つに動物学博物館を建て、標本を探して世界中を旅した。

 第3代ロスチャイルド男爵の妹ニカ(1913~1988年)はセロニアス・モンクやチャーリー・パーカーといったジャズの巨匠のパトロンとして人生を捧げた。

 フランスの株式市場で数百万ドルの損失を出して、フランクフルトからアメリカへと追放され、わずか29歳で亡くなったソロモン男爵(1835~1864年)のような厄介者もいた。

 基本的に、ロスチャイルド一族は目立つことを好まないといわれるが、誰もがスポットライトを避けてきたわけではない。フランス・ロスチャイルド家の先代当主、ギー男爵(1909~2007年)は、社交界の花形であったマリー・エレーヌ・ファン・ツイレン・ファン・ニエベルトと結婚し、60年代から70年代にかけて、パリ社交界の有名なパーティーをいくつも後援した。

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アルバート・アインシュタインとバーナード・ショーの間に座る第2代ロスチャイルド男爵ライオネル・ウォルター・ロスチャイルド(サボイホテルのディナーの席にて。1930年)。

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埋葬されるエドゥアルド・ド・ロスチャイルド男爵(同じくパリにて、1949年)。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 03
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