April 2018

‘LOOK AT THE WHO! THEY USED EXPLOSIVES!
HOW DID WE GET THE REP?’

レッド・ツェッペリンが残した
クレイジーすぎる伝説の数々

text josh sims

表現力豊かでどこか謎めいていたボーカル、ロバート・プラント。1972年。

「何もかも思うままにやっていたんだ。今みたいにアーティストの青写真などない時代。宝くじの当選者にありがちな症状に近いと思う。単なる若者が突然世界の頂点に立ったんだからね」

 レッド・ツェッペリンは自身のペニスの石膏型を作らせたとか、その型を壊す前にティーンエイジャーにフェラチオさせたという噂もある。そんなことをしながらも、音楽を知っている人にも知らない人にも、彼らはポップカルチャーのひとつの基準点となってゆく。映画『ウェインズ・ワールド』でのギターショップのワンシーンにも「『天国への階段』試奏禁止」の張り紙があるほどだ。

 しかし、ビートルズがずっと支持され続けたのに対し、レッド・ツェッペリンは無知な人たちからの評価で苦戦してきた。活動期間中はほぼずっと、とりわけイギリスの音楽メディアから敬遠されていた。またローリングストーン誌からは、バンド名を「リンプ・ブリンプ(空気の抜けた飛行船)」にするべきだと酷評された。ドラマーのジョン・ボーナムは、ベストドラマーの投票でカレン・カーペンターより下位にランクインしたこともある。

 そんなレッド・ツェッペリンの解散は、あまりにも突然だった。1980年、ジョン・ボーナムは12時間超のパーティーでカレーとピザ2枚を食べ、ウオッカのショットを40杯飲んだ後、睡眠中に吐瀉物を詰まらせて窒息死したのだ。この不慮の事故でドラマーを失ったことにより、レッド・ツェッペリンは同年12月に解散の声明を発表した。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 20
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