A PATRIOT'S PLAYLIST: TEN SONGS THAT DEFINE AMERICA

愛国者のプレイリスト:
アメリカを象徴する10の歌

February 2020

 

 

THE EAGLES-HOTEL CALIFORNIA

イーグルス『ホテル・カリフォルニア』

 

 イーグルスは1977年の『ホテル・カリフォルニア』がヒットするより前から、すでに大物アーティストだったが、タイトル・トラックの入ったこのアルバムのリリースによって、その地位を完全なものとした。その音楽は、カントリー、フォーク、ブルーグラス、ロックンロールが融合したものだった。

 

 リリース以来、『ホテル・カリフォルニア』はラジオのヘビー・ローテーションとなった。曲の絶え間ないグルーヴとドン・ヘンリーの印象的な歌詞は、刺激的かつやや不吉な雰囲気を醸し出し、その後ジョー・ウォルシュの意気揚々としたギターソロに至る。それらの意図的に不可解な歌詞は、歌の魅力の一部であり続けている。その意味は、レコードのカバーアートと並行して、さまざまに分析されてきた。アメリカン・ドリーム、消費主義、麻薬中毒、共食い、悪魔崇拝・・。

 

 1980年代、キリスト教の福音派グループは、この歌が歌っているホテルは、アントン・ラヴェイ(サタン教会の教祖)が購入して改修したものだとさえ主張した。

 

 ヘンリーは、この歌について繰り返し質問された。それに答えて曰く、「このホテルは、そしてアメリカン・ドリームとは、ドリーム(夢)とナイトメア(悪夢)の間の、微妙なところにあるものだ」と。

 

 

 

LOU REED – WALK ON THE WILD SIDE

ルー・リード『ワイルド・サイドを歩け』

 

 ニューヨークで“ワイルド・サイド”を歩く輩たちへの、ルー・リードの愛情のこもった賛歌である 『ワイルド・サイドを歩く』は、20世紀アメリカで最も意外で、驚くべきヒットのひとつだ。 リードは売春、性、麻薬、トランス・セクシュアリティについて歌っている。それらはアンディ・ウォーホルのアトリエ“ファクトリー”のミューズだったキャンディ・ダーリンやホリー・ウッドラーンなどとも重なる。デヴィッド・ボウイとミック・ロンソンがプロデュースした曲は、リードの最初の大ヒットである。

 

 彼はそれらを微妙にオブラートに包んで歌った。彼は当初、登場人物の反応を心配していたが、曲が歓迎されたと知ると、“人は誰でも15分間だけ有名になれる”というウォーホルの名言と先見性を讃えた。

 

 

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