POCKET GUIDE: TO THE MANNER ‘BOURNE

洒落者たちの、着こなしと持ちもの
パルマー・ムタンダ&マーヴィン・ホルダー

Saturday, July 24th, 2021

今回は、オーストラリアを拠点としたテーラーリングサービスをマネジメントしている「Button Brothers」のふたり、パルマー・ムタンダとマーヴィン・ホルダーにご登場いただく。

 

 

text jessica beresford 

translation wosanai 

photography marco marroni

 

 

Palmer Mutandwa (Left), Marvin Holder (Right)

オーストラリアを拠点とするマネジメント会社「Button Brothers」で、スタイリングアドバイスやファッションコンサルティング、さまざまなテーラーとのトランクショーのアレンジを行っているふたり。

 

 

 

 オーストラリアを拠点としたテーラーリングサービスをマネジメントしている「Button Brothers」のふたりは、ウェルドレッサーという共通点はあれど、異なった美意識を持っている。

 

「私のスタイルの根幹は1920年代から30年代のニューヨーク、ハーレム・ルネッサンスに影響を受けています。パルマーよりもカラフルで実験的でしょうね。既成概念にも縛られたくはありません」と語るのはマーヴィン。

 

 一方のパルマーは、クラシック・テーラーリングへの情熱はもちろん、自身のヘリテージをも鑑みた生粋のアフリカ系サルトリアリストだと自分のことを分析する。

 

「私のスタイルは幼少期の経験から多大な影響を受けています。大まかに言うと、教会と学校ですね」

 

 

オレンジが際立つネクタイは、ナポリのE.G.カペッリのもの。オーナーであるパトリッツィオ・カッペッリ自身が見立ててくれたものだという。ストライプのシャツとは、あえて柄をクラッシュさせているが、ブルーやゴールドの色をタイから拾い、調和を取っている。ちなみにこのカラーピンは母親から“借りた(非公認)”ものだという。

 

古い海図があしらわれたポケットスクエアは、ミラノのルビナッチで購入。「運よくルカにも会うことができました。彼はインスタグラムで拝見していたように陽気でクールな人でした」とパルマーは語る。

 

 

 

 パルマーはジンバブエ、マーヴィンはトリニダード・トバゴと、ふたりが生まれ育った場所は全く異なるのだが、共通の友人の紹介によりメルボルンで出会うことになる。ふたりが“ブラザー”になるのに長い時間はかからなかった。彼らはお互いのスタイルや共通の価値観、クラフツマンシップへの情熱をビジネスにするべきだと決意する。

 

「我々に共感してくれる世界中の人たちに、クリエイティブでアルチザンなアイテムを紹介していこうと思いました」とマーヴィンは語る。

 

 スタイリングアドバイスやファッションコンサルティングはもちろんだが、ナポリのルカ グラッシアとのコラボレーションによるMade To Measure スーツのサービスを、トランクショーという形でオーストラリア、南アフリカを中心にアレンジしている。今後、彼らの活躍はより世界に広がっていくであろう。

 

 

南ガーナのアカン族では、コクーン(繭)は神秘の象徴として扱われるらしい。彼の指にはそのコクーンが大きくあしらわれたリングがはめられている。バングルも同様に寓話的で、そこには椰子の木を上る蛇が彫られてある。これは持続性と不動性を表している。ふたつともメルボルンのジュエリーデザイナーElla Baduが、ガーナ産の材料で作ったもの。

 

 

マーヴィンはネクタイの代わりにスカーフを巻くのが好み。このペイズリーのスカーフは母親からプレゼント(公認)されたもの。ネイビーのスーツに完璧にマッチしている。

 

 

ビーズのブレスレットは、実はブレスレットではなくネックレス。ヨハネスブルグのマボネン地区にある小さなブティックで購入したもの。

 

 

ノーザンプトンのクロケット&ジョーンズは特にマーヴィンのお気に入り。このブランドの靴は何足も所有しているという。「コンストラクション、履き心地、マテリアル、すばらしいコストパフォーマンスだと思います」チョコレートブラウンのスエードで作られたタッセル・ローファーには、今回はライトブルーのソックスを合わせた。

 

 

 

 

THE RAKE JAPAN EDITION issue25