‘WE GOT A CALL SAYING THE FAMILY BUSINESS HAD BEEN ATTACKED.
MY LIFE IN LONDON STARTED THEN’

祖国を追われ、シガーに救われた男

April 2018

text tom chamberlin photography kim lang

エドワードとジノ・ダビドフ、オープンした店の外で

 あまり仕事でくよくよすることはありませんが、キューバ産葉巻の品質や供給力についてはちょっぴり心配しています。輸出入に関する制限がすべて撤廃されて、誰でもキューバで商売ができるようになれば、あの国は繁栄するでしょう。そうなれば、すばらしいですね。キューバでは観光業などの新たな産業が立ち上がり、雇用や給与が改善されるでしょう。 

 最近は、シガーを愉しむ若い方が増えました。この店をオープンした頃、シガーを嗜むお客様の平均年齢は50歳を超えていましたが、今では20代後半から30代前半が中心です」

栄誉ある賞をもらって「“ハバノス・マン・オブ・ザ・イヤー”には2 度ノミネートされました。まるで、アカデミー賞のようですね。授賞式では司会が封筒を開いて受賞者の名前を読み上げますから、それが自分の名前でないと、頭から冷水を浴びたような気分になります。高望みしていたわけではありません。受賞できたらいいなと思っていましたが、ダメだった場合を覚悟していたので、今回受賞できたことが信じられなかった。

 この賞を獲得した小売業者は世界でも数えるほどしかいないのに、そこに名を連ねることができて光栄です。ダビドフ・ゴールド・バンド賞を獲得した人もほんの一握りしかいません。両方を手にしたのは私だけではないでしょうか。ダブル受賞だなんて最高です」

「イラン革命が起きて、私は着の身着のままで亡命してきました。何もかも失いましたが、たくさんのものを得ました。人生を最初からやり直すとしても、やはり同じ道を選ぶでしょう」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 18
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