‘WE GOT A CALL SAYING THE FAMILY BUSINESS HAD BEEN ATTACKED.
MY LIFE IN LONDON STARTED THEN’
祖国を追われ、シガーに救われた男
April 2018
同店のウォークイン・ヒュミドールに並ぶシガーコレクション。
嫌煙の時代、しかし若い世代が「シガーを嗜むこととシガレットを吸うことは別物だと皆さんも気づいているのではないでしょうか。いずれシガレットの販売が禁止されてもおかしくありませんが、そうなっても一向に構いません。シガーの嗜みは別物で、どこまでも純粋な愉しみなのです。
息子のエディが家業に参加してくれるとは思いもしませんでした。シガーはエディが16歳のときに教えました。『シガレットを吸うなとは言わない。好きにしなさい。でも、どうせ吸うのなら最高のものを吸ったほうがいい。これが最高だよ』と話して、ジノが若い頃の私にしてくれたようにダビドフ・マグナムNo.2を渡しました。
その後、息子はシティで働いていましたが2008年に金融危機が起きて情勢が厳しくなると、新たなチャンスを求めるようになりました。そこで、うちの店で働かないかと誘ったのです。
しばらくして『私はお前がいてくれて嬉しいけれど、お前はこの店の仕事を楽しんでいるかい?』と聞いたところ『もう少し続けたい』と言ってくれて、それから10年経つ今も続けてくれています。