TIME AND TIDE
進化する傑作、サブマリーナー
March 2021
サブマリーナーは、ずっと3ピースのデザインだ。スチール製のミドルケースにねじ込み式の裏蓋が取り付けられている。ケースの表側はインナーリングの上にアクリルガラスを押し込み、ベゼル固定リングを使って密閉している。さらにリュウズもケースの側面にねじ込むことで時計の密閉性を高めている。これが防水性能の高い、ロレックスの画期的な機構「オイスターケース」である。
1955年、ロレックスは大きくなったリュウズで操作性を向上させたRef.6200を発表した。緩めるのが容易になっただけでなく、ケースの厚みは増し、防水性能は水深200mとなっている。このモデルはRef.6204やRef.6205(1954年)と同時期に生産されていた。6204と6205はよく似ているが、6204がペンシル針なのに対し、6205はメルセデス針が採用されている。6200は、コレクターの間で“ビッグクラウン(デカリュウズ)”と呼ばれている最初のモデルであり、6204と6205は“スモールクラウン”として知られるようになった。ムーブメントは、6204と6205にはA260、6200にはA296が搭載されている。
これら初期のモデルは試験的といえるもので、その後1956年にスモールクラウンはRef.6536、ビッグクラウンはRef.6538と、ふたつのリファレンスに統合。どちらもロレックスのキャリバー1030が搭載された。コレクターたちにとっては、これらのモデルにおいてオリジナルのミラーダイヤルとベゼルインサートを保っているものを見つけることがロマンとなっている。ダイヤルのバリエーションも数多く存在し、すべてを語るとしたらそれだけでひとつの特集が組めるほどだ。
1958年には、ビッグクラウンのRef.5510とスモールクラウンのRef.5508が登場した。どちらも最新のキャリバー1530が搭載された。これらの時計は、その後30年間使われたベースムーブメントを採用していることを主な理由として、移行期のモデルと見なされている。
本記事は2021年1月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 38
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