March 2021

TIME AND TIDE

進化する傑作、サブマリーナー

text ross povey

1953100m防水を誇る、初代サブマリーナー Ref.6204。時分針はペンシル型で、リュウズは小型だ。

19543、6、9が数字表記のダイヤルが目を引く。「SUBMARINER」の表記がダイヤル上にない。

1969Ref.1680。赤い「SUBMARINER」ロゴはコレクターの間で “赤サブ”と呼ばれ人気を博している。

1950年代後半から1980年代前半 1959年、サブマリーナー史上最大の変革が起こった。6mmのスモールクラウンでも8mmのビッグクラウンでもなく、7mmのトゥインロック式のリュウズを導入したRef.5512が登場。新たにリュウズガードが備えられたノンデイトのサブマリーナーである。

 リュウズガードとはリュウズの側面を守るもので、時計の中でおそらく最も脆弱なパーツを保護する役割を持つ。サブマリーナーのリュウズガードには、スクエア、イーグルビーク、ポインテッド、ラウンドの4種類の形状の歴史があり、最後のラウンド型は数十年にわたり採用された。

 5512は、はじめはクロノメーター認定ではないキャリバー1530が搭載されていたが、やがてクロノメーター認定のキャリバー1560、1570へと移行し、1970年代後半まで20年も生産が続いた。1962年に同じくキャリバー1530を搭載したRef.5513が発表(その後すぐ非クロノメーターのキャリバー1520に変更)されているため、5512が1963年にクロノメーター認定キャリバーを搭載するまでの間、ふたつの非クロノメーターのモデルが併売されていたことになる。ちなみに5513は、5512をも上回る27年という非常に長い期間にわたって製造された。

 1969年、ロレックスはサブマリーナーデイト Ref.1680を発表し、以降はサブマリーナーと並行して展開する。このモデルはキャリバー1575を搭載し、200m防水で、新形状のフラットタイプのガラスと日付表示を拡大するサイクロップレンズが採用された。初期のモデルには赤文字で「SUBMARINER」と書かれているが、その後白い文字に変更されている。

 1979年から1981年まではさらにアップデートが行われ、逆回転防止ベゼルやサファイアガラスが採用されたことで水深300mまでの防水機能を実現。こうしてついに完成したRef.16800は、当初はマットなダイヤルに夜光塗料のアワーマーカーという組み合わせだったが、1984年以降は光沢のあるダイヤルと、ホワイトゴールドで夜光塗料を縁取ったインデックスに変更された。

本記事は2021年1月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 38

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