RAKISH MENの最新スタイル 01
OLIVER DANNEFALK
リラックスフィットの深Vネックニットが新鮮
July 2020
photography jamie ferguson
Oliver Dannefalk ／ オリヴェル・ダンネファルク1987年、ストックホルム生まれ。英ブライトンで絵画を学んだのち、ラルフ ローレン、メンズテーラーリングを中心とするヴィンテージショップのオーナーなどのキャリアを積み、Skoaktiebolagetに参画。その後Grafford Shoesを経て2018年にニットを中心とするブランド“A Tempo Rubato”を始動。2019年秋冬がブランドのファーストコレクション。
氏の着こなしで注目したいのは、彼のシルエットやディテールに対する圧倒的なこだわりだ。その色使いにおいても、卓越したセンスを光らせる。旧きよき時代のスタイルにスポットを当てながら、それを今日のスタイリングに溶け込ませるのが彼の真骨頂だ。セージグリーンの深Vネックニットは彼が手がけるA Tempo Rubatoのもので、スコットランド製。
新ブランド“A TEMPO RUBATO”に大注目 北欧のとりわけスウェーデン人のクリアなクラシックスタイルにずっと前から注目しているTHE RAKEだが、その中で断トツにセンスを光らせているのがオリヴェル・ダンネファルク氏だ。ラルフ ローレンやヴィンテージショップで経験を積んだキャリアが、彼のスタイリングに見事な奥行きを生み出している。
その彼が立ち上げたブランドが、“A TEMPO RUBATO（イタリア語で盗まれた時間）”だ。コレクションの中心はニット。巷のニットの色使いには共感を得られてもシルエットやディテールにはまったく満足できなかったという彼が、自身の美意識を徹底的に注入しているのが魅力だ。わかる人にはわかる、その差を楽しんでほしい。
ラムズウールを使用したルバートのニットはスコットランド製。彼らのインスタグラムを見ると、インスピレーションは、芸術、建築、職人技、ヴィンテージウェアの美学やプロポーションからと、多岐にわたっているのがわかる。程よいゆとりをもたせて着るサイズバランスも新鮮。その絶妙な塩梅が、心地よい優雅さを添えるのだ。タートルネックニット1800kr（1kr≒11円） A Tempo Rubato
スレスレのところを突いたルバートのニットは、周回遅れのトップ的な新しさ、モダンな雰囲気を備える。それは、シルエットやタッチへの緻密なこだわりがあってこそ。わずかにテーパードしたボクシーなシルエット、長めのリブ、やや短めの着丈など、うっすらとヴィンテージの雰囲気を残しながら、やりすぎない。そこがモダンなのだ。Vネックニット1800kr A Tempo Rubato
1モデルのみだが、今季よりシャツも展開している。シャツはブラウジングさせて着るリラックスフィットの中にこそエレガンスがあり、クラシックである、というのがルバートの考え方。そのリラックス感の塩梅でモダンに見せている。こちらの胸ポケット付きBDシャツに彼らの回答がある。生地はオックスフォードではなくツイルというのがまたいい。シャツ1400kr A Tempo Rubato
非常にシンプルな一枚だが、長めのリブや詰まった首回り、ゆとりをもたせ、ボクシーでほんのりテーパードしたシルエットが生むクールさはここでも健在。ラムズウールの糸にはラノリンがたっぷり含まれており、ヴィンテージ的なタフさを備えているのもいい。引き算が生む美しさの中で、彼らのこだわりが引き立ってくるのだ。ネイビーのクルーネックニット1800kr A Tempo Rubato
What’s A Tempo Rubato?ヴィンテージショップ時代からの同僚であるカール・パース氏（左）とともに、2018年にスタート。日常の定番アイテムをシンプルに突き詰めながらシルエットやバランス、ディテール、タッチに徹底的にこだわって表現するべく、約1年半の徹底したリサーチを行い、2019年秋冬、少量のニットとともに「ア テンポ ルバート」のコレクションがスタートした。
本記事は2020年5月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 34
