THE FLAIR UP THERE

20世紀のライトスタッフ

January 2020

text josh sims

チャールズ・バセット、オルドリン、テオドール・フリーマンらの無重力下における訓練(1964年)。

 スペースXは今年、国際宇宙ステーションとドッキングできる再利用可能な輸送船の実験飛行を初めて成功させた。乗っていたのはダミーの宇宙飛行士だけだったかもしれないが、イーロン・マスクが明らかにしたように、ダミーは完全に機能する宇宙服を着用していた。そしてこの装いは、実に洗練されたものだったのだ。

「美しさと機能を両立させるのは非常に困難だった」とマスクは明かした。

 宇宙服のデザインにおいて、美しさを検討事項と見なす宇宙ビジネス関係者はほとんどいなかったため、これは印象的なコメントとなった。

 装いに関する助力を得るために、マスクはコスチュームデザイナーのホセ・フェルナンデスまで雇っていた。アイアンマン、バットマンといったスーパーヒーローの映画用の外見を考案した、あのホセ・フェルナンデスだ。

 だがマスクは正しい。宇宙飛行が商業的なブランド活動となる新時代において、ファッショナブルに見えることは重要だ。さらに彼は、スペースXの宇宙飛行士は「超クールに」見えるべきだと心に決めていたそうだ。それは、星々への道を初めて切り開く宇宙飛行士たちにとって、どんな言葉にも負けない賛辞となるからだ。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 31
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