THE FLAIR UP THERE

20世紀のライトスタッフ

January 2020

text josh sims

 宇宙飛行士たちは、時計にも個性的なポイントを加えずにいられなかった。多くは飛行士、ディーク・スレイトンに倣い、ジャコビー・ベンダー・チャンピオンのミラノ風ブレスレットでスピードマスターを着けることを好んだ。

 スレイトンは、時計が何かに引っかかった場合、このブレスレットの方が時計から取り外しやすいのだと主張した。このほうが見栄えもしたのは、狙わずして得た効果だったのかもしれない。いずれにせよ、時計でも宇宙船でも、ディテールに目の利く人間でなければ、秒速7マイルで月へ行くチャンスは得られない。

宇宙服にも美しさを 現代においては、もはや宇宙飛行士はファッション・アイコンでなくなってしまった。これは嘆くべきことだろうか? 彼らのスタイルは、有人による宇宙飛行が、実現した時代ならではのものだったのだろうか?

 民間企業による宇宙飛行の新時代が目前となった今、重視されるポイントは、宇宙飛行士のプライベート・スタイルより、宇宙服そのものへと移ったように思えることだ。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 31
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