May 2021

THE CHOICE OF WATCH EXTERIOR
―Chronométrie Ferdinand Berthoud―

限定個数のムーブメントから作る
究極の“ビスポーク”時計

text tetsuo shinoda

790のパーツで構成された繊細なチェーンをケースバックから見ることができる手巻きムーブメントは、世界限定20個。受注生産となり、購入者はケース2種から選択、ストラップも素材や色を選ぶことができる。
18KRG、44mmのラウンド型ケース「FB 2RS.2」¥34,177,000(予価/発売時期未定)Chronométrie Ferdinand Berthoud(ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922)

 こういった特別なコンセプトの時計を作るとなると、当然ながらムーブメントの価値も非常に重要になる。搭載する自社製のキャリバー FB-T.FC.RSは、ブランド初となるスケルトン・ムーブメント。ブリッジはブラックPVD仕上げを施す一方で、歯車などは真鍮やスティールなど素材の色を生かすことで、立体的に見せている。

 さらに2時位置の時表示は、ディスクを透明のサファイアクリスタル製として、視界を遮らないように工夫している。6時位置にはトゥールビヨン機構が収まるが、“く”の字型に折れ曲がったブリッジも機構を美しく見せるのに一役買っている。

 美しいムーブメントの生産数は、わずか20個。ムーブメントを限定とするのも異例だが、それは人と違う時計を求めるコレクターへの配慮でもある。購入希望者は、倫理的に調達されたエシカルローズゴールド製のラウンドケースと、浸炭焼き入れで耐久性を高めたステンレススティール製の八角形ケースのどちらに、この特別なムーブメントを収めるかを選ぶことになる。それは今までのラグジュアリーウォッチにはなかった、上級者だけに許される “遊び”なのである。

SS、44mmの八角形型ケース「FB 1RS.6」¥32,912,000(予価/発売時期未定)Chronométrie Ferdinand Berthoud(ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922)

本記事は2021年5月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 40

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