サステナブルなスーツとは？

　内側には電話用ポケット1個、標準的な胸の内ポケット2個、ペンポケット1個が付いている。トラウザーズは通常よりやや幅広にしてもらった。私は脚のトレーニングを欠かさないし、身長が190cmもあるので、昔から脚部は広めが好きなのだ。

　初回からわずか数週間で、スーツは店に戻り、私は仮縫いに呼ばれた。今回はトラウザーズのお尻部分の2、3カ所を微調整するだけで、作業は社内で行われた。

「フィッテイング・ブロックは一から開発し直しました」と語るのは、ギーブス＆ホークスのクリエイティブディレクター、ジョン・ハリソン氏だ。

　最も印象に残ったのは工場周辺のエリアだ。布工場といえば、昔から途方もない量の水を浪費するものだ。服地はいくつもの洗浄工程を経て、ようやく完成するからだ。おまけに染色工程もある。使用される数々の化学物質（銅、クロム、硫酸など）は生き物に害を及ぼす。

　しかし、VBCは循環式の浄水システムを稼働させているため、工程が完了すると、水は浄化されてシステムに戻されるか、自然に返される。私は工場の敷地内で、ブクブクと泡立つろ過タンクをこの目で見た。だからこそ証言できるのだが、ろ過された浄化水の一部は小さな湖に流れ込んでおり、そこでは鯉や金魚らしき魚が実に幸せそうに泳いでいるのだ！

服地になる前の状態。

ウインドウペイン・チェック柄の布地を織り上げている。

ライアンが選んだ素材。

何十年分もの記録と、履歴を示すメモ（2点）。

すべての服地の品質管理を人の目で行う。