SARTORIA LUCOLT

サルトリア ルコルト
贅沢生地のススメ

January 2023

最も勢いに乗っているビスポークテーラーといえば、サルトリア ルコルトの小澁修一郎氏だ。実力の高さだけなく、生地の提案力も群を抜いて素晴らしい。氏がオススメする、至高の贅沢生地とは?
text yuko fujita
photography shinichiro uchida(P1)
jun udagawa(P2)

Shuichiro Koshibu / 小澁修一郎1986年、岡山市生まれ。文化服装学院を卒業後、アパレルを経て英国のオックスフォードとロンドンに留学。2012年から5年間サルトリア イプシロンで経験を積み、2017年6月にサルトリア ルコルトを始動。The RakeのIssue 44で紹介したのを機に日本全国に名が知られ一気にブレイク。今最もの勢いのある超実力派テーラーだ。 info@sartorialucolt.com

小澁修一郎氏の服にはハッとさせられる美しさがある。柔らかでいてコシのある上質な生地を、軽やかに、エモーショナルに、そして見事に全体の調和が取れた服へと仕立てあげる。サイズ感も含めたすべてに氏の美意識が感じられるのだ。着用しているのは英ジョンクーパーの“ドブクロス”。低速のドブルクロス ルームで非常にゆっくり織られたスーパー140’s & カシミア& シルバーミンクは独特のヌメリ感があり、いい塩梅の艶も実に上品。

 2022年最もブレイクしたテーラーといっても過言ではない。本誌のIssue44で紹介すると、読者の皆様が小澁修一郎氏の仕立てた服のオーラ、実力を誌面から感じ取り、サルトリア ルコルトは大ブレイク。岡山を拠点にしていながら、一躍全国区の人気テーラーとなった。

「お客様に心地よく着ていただけることを何よりも大切にしているので、自分の美意識を大切に、生地選びにもかなりのこだわりをもっています。今回オススメしている4つは、いずれも非常に縫いやすい生地です。それは同時にクセ取りがしやすい生地であることを意味し、お客様の身体にとてもよく馴染んでくれるので、より着心地のいい服に仕立て上がります。非常に柔らかな生地でも確かな技術をもって丁寧に仕立てれば、とてもきれいな仕上がりになるので、シワなくきれいな服をお客様にお届けしたいという思いを胸に、常に服を作っています」

 小澁氏がオススメしている生地は、最高級の原毛を従来のように細い糸にするのでなく、程度の差こそあれあえて太く紡いで織り上げられている。それはある意味で究極の贅沢だ。柔らかな生地で仕立てられた服が好きな方は、小澁氏に全幅の信頼を置いてオーダーすると、一生大切に着たい贅沢な生地ならではの、非常に満足のいく服が完成するに違いない。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 48
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