LOWER CASE, HIGHER PURPOSE
ユーモア溢れるサステナビリティ
エルメスの“プティ アッシュ”
September 2020
万事うまくいくときでも、生産プロセスでは、必ず無駄が生じるものだ。端材、余剰分、余計なトリミングなど。昔は、この種の不要なオブジェクトや残骸は、ただ捨てられていた。しかしプティ アッシュでは、それらは、第2のチャンスを与えられるのだ。
ミュサールが2018年に退任したとき、彼女はプティ アッシュを長年の協力者であったゴデフロワ・ドゥ・ヴィリユーに託した。この有能なクリエイティブ・ディレクターは、プティ アッシュのクリエイティブ・プロセスを説明するときに、アートのムーブメントになぞらえる。
「私たちが行っていることは、“さかさまのクリエーション”と表現しています。それは少しシュールなものです」と彼は言う。
「1930年代に、ダダイストは新聞から単語を切り取り、それらを交ぜ合わせ、再び読めるように配置して詩を作りました。私たちがプティ アッシュで行っていることも同様だと思います。エルメスは“文章”を書き、エルメスからいくつかの“単語”を取り出し、それを使って別の物語を語るのです」
本記事は2020年7月27日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 35