August 2022

HERMÈS BESPOKE OBJECT

ちょっと特別なエルメス Vol.2
愛を運ぶ自転車

エルメスのスペシャルオーダー部門“オリゾン”が生み出すプロダクトを紹介するコーナー。
連載2回目にご紹介するのは、かわいい自転車である。

©Studio Rouchon

 エルメスのスペシャルオーダー部門“オリゾン”では、顧客のリクエストに応じて、あらゆるプロダクトを製作している。革製品はもちろん、クルマ、船、飛行機の内装まで請け負っている。今回ご紹介するのは自転車である。

 メゾンの出自である“馬”に通じるからか、エルメスは昔から自転車を作り続けている。部門のデザイン&エンジニアディレクター、アクセル・ドゥ・ボーフォール氏が、入社して初めて手がけたのも自転車だったという。

「パイプ製造の部門で、自転車を作るプロジェクトが進行していました。私はひどく興味をそそられ、こう訴えました。『この自転車の設計をやってみたいのです』と」


昔の日本の自転車にインスパイアされた、軽量でコンパクト、すっきりとしたラインが特徴。ハンドメイドのフレームはトネリコ製。ホットスタンプが施されたレザーサドルやタイヤ、ペダル、グリップのカラーアクセントがエルメスらしい。バスケットやウォーターボトルのオプションも。サイズ:1,546×580×1,004mm(サドルを上下するだけでサイズ対応可能) 重量:11kg ¥2,651,000(かごなし)Hermès ©Studio Rouchon

 写真のかわいらしい小型自転車も、彼の手から生まれたものだ。軽量でコンパクトなデザインは、昔の日本の自転車からインスパイアされたらしい。フレームはなんと木製(トネリコ)で、リサイクルが可能だ。面白いのは、この自転車で引っ張ることができる《ラブ・キャビン》が用意されていること。車輪のついたテント小屋で、ティピを連想させるキャンバス地を木材フレームで支えている。

 この小さなキャンピングカーは、エルメスが「創造を巡る旅」をテーマに製作したショートムービー『HUMAN ODYSSEY』のオープニングにも登場する。書道家の新城大地郎氏、King Gnuの井口理氏、俳優の池松壮亮氏らが、ラブ・キャビンに乗って旅に出るのだ。

 見ているだけで微笑ましくなる、まさに愛を運ぶための自転車である。

自転車で引くことができる
かわいいテント小屋《ラブ・キャビン》も


木製フレームは伝統的なティピを連想させる。キャンバス地は折り紙の技法にインスパイアされた折りたたみの工程を取り入れており、リサイクルテキスタイルが使われている。フランス製マットレスは快適な寝心地を約束するという。サイズ210×130×135cm(車輪の半径54cm) 重量:42kg 最大積載量:200kg ¥11,000,000(予定価格)Hermès ©Studio des Fleurs

本記事は2022年5月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 46

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

ちょっと特別なエルメス Vol.1 夢を釣るためのフライフィッシングセット