Saturday, January 9th, 2021

Jason Basmajian Interview

ジェイソン・バスマジャン インタビュー

イギリス人よりイギリスらしく
2013年、ギーヴズ&ホークスに就任した新たなクリエイティブ・ディレクターが語る、グローバルなラグジュアリー・ブランドとしての未来。

Jason Basmajian / ジェイソン・バスマジャンニューヨークのカルバン・クラインとダナ・キャランでメンズウェア業界のキャリアを積み、パリのS.T.デュポン、ローマのブリオーニを経て、現職。「私はブランドの守護神のようなもの。革命より、常にエヴォリューションを心がけている」

「この業界には有名な言葉がある」

 こう語り出したのは、ギーヴズ&ホークスの新生クリエイティブ・ディレクター、ジェイソン・バスマジャン氏だ。

 ボストン生まれのアメリカ人であるバスマジャン氏は、ブリオーニでアーティスティック・ディレクターとして活躍。ローマの伝統的なブランドだったブリオーニをライフスタイル・ブランドに作り上げた中心人物として知られている。

 今回はサヴィル・ロウの象徴である最も英国らしいブランドを、グローバルでラグジュアリーなブランドとすることが彼に課せられたミッションだ。

「メンズウェアはブリティッシュ・テーラーリングを源流としているが、この業界ではイタリア人のやり方をこう表現する。『イギリス人よりイギリスらしい』。イタリア人はこの種の表現に非常に長けている。どうパッケージして売るべきか、どうロマンティックに感情に訴えるかをよく理解しているからだ。一方で、イギリス人は語ることよりも、頑なまでにスーツのクオリティと仕立てを追求してきた。だが、その定説が覆る時が来た」と語る。

「長い間、イタリアの仕立てが注目を浴びてきたが、今はブリティッシュ特有の構築したシルエットやディテールが新鮮に感じる。そこに加えるのは現代的なテイストだが、ギーヴズ&ホークスのDNAが失われることがあってはならない」

 現在、ギーヴズ&ホークスが扱っているのは既製服、そして彼らが「プライベート・テーラーリング」と呼ぶパターンオーダー、ビスポークの3ラインとなり、バスマジャン氏は既製服とプライベート・テーラリングを監修している。

 彼が就任して以来、カッティングとフィッティングの基本パターンは現代的にスリムにフィットしたものになり、ファブリックの品質、スーツの仕立てに関わるキャンバスや袖付けといった部分も大幅に改善が行われた。

「これを可能にしたのは私のデザインチームとビスポーク部門が互いに連携していることだ。以前は完全に別部門でコミュニケーションはなかったが、相互が協力し合うことでブランドとしての統一性も生まれ、商品のクオリティも向上した」

 今後はトータルウェア・ブランドとして、セーターやアクセサリーなども英国製の製品を充実させる方針だ。

 イタリア人よりイタリアらしい表現に長けたバスマジャン氏は、英国ブランドの精神をいかに表現していくのか。その挑戦は始まったばかりだ。

本記事は2015年5月23日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 04

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