August 2020

FIND THE PERFECT WATCH

日本橋三越で見つける本格時計

text norio takagi photography jun udagawa
issue10

ゲオルク四隅をファセットカットした角型ケースは、縦方向にわずかにカーブして手首に沿う。スモールセコンドは、毎時1万8000振動のロービートでゆったりとした時を刻む。調速するテンプは、古典的なチラネジ付き。すべての軸受けはザクセン伝統のゴールドシャトンとし、テンプの受け石はダイヤモンドを用いた。手巻き、Ptケース、40×32mm。¥6,200,000 Lang & Heyne / Nihombashi Mitsukoshi(日本橋三越本店 Tel.03-3241-3311)

ドイツ伝統のスタイルの継承者LANG & HEYNEラング&ハイネ ドイツ・ザクセン州の州都ドレスデンのアトリエで、ほぼすべてのパーツをハンドメイドするラング&ハイネは、19世紀に萌芽したザクセン流の時計製作を現代に受け継ぐ時計師マルコ・ラング氏によって2001年に創業した。

 本作はダイヤルをエナメルで製作。角型ケースのサイドには手彫りのストライプ装飾が施され、美観を湛える。白眉は、シースルーバックに姿を見せるムーブメント。各パーツを専用に支える5本の独立したブリッジは丸みを帯び、完璧な鏡面仕上げで光の反射を周囲に拡散する。

 その古典的な構造美は、唯一無二。多くが手作業のため生産数は限られる。希少性の高さも魅力だ。

本記事は2019年11月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 31

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Contents

<本連載の過去記事は以下より>

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