November 2022

EYE OF THE HAWKE

ホークの鋭い瞳
俳優:イーサン・ホーク

text tom chamberlin
photography charlie gray
fashion direction grace gilfeather

ジャケット、トラウザーズ、シャツ、タイ all by Edward Sexton
リング、バングル all by The Great Frog
時計 参考商品 Rolex

若くして摑んだチャンス ホークは『いまを生きる』への出演で役者として幸先のよいスタートを切った。当時の彼は、俳優業の傍らピッツバーグのカーネギーメロン大学で演技を学んでいたが、その前には名門の全寮制学校にいたことがある。そのことが、望んでいたキャリアの道を作る一助となったに違いない。ホークはこう振り返る。

「面識のあるエージェントが、僕くらいの年の若い子を探しているといって『いまを生きる』の台本を送ってきたんだ。読んでみたら僕がよく知る全寮制学校の世界の話だったから、オーディションを受けることにした。『役がもらえなかったら僕は役者にはなれないってことだ』と姉に言った記憶があるよ。この作品ならどの役でも演じられると思ったんだ」

 彼はもちろん役を手に入れ、駆け出しの若手や大物俳優らとともにキャストに加わった。中でもロビン・ウィリアムズとは何度も価値ある“スパーリング”を行った。コメディの巨匠によるアドリブや、テイクごとに新しいことを試そうとする能力に幾度も立ち向かったのだ。

 ホークは以前、この撮影で真顔を保つのが大変だったと言っていた。それは役柄としての選択なのか、それとも本格的な俳優としてそう見られたいと思ったからなのか、私は知りたかった。

「両方だよ。僕が演じたトッドは、笑うような子じゃない。だから僕の仕事は教室で笑わない子を演じることだと思ったんだ。どのチームにも自分が務めるべきポジションがある。ロビンが必要としていたのは笑わない子だった。僕は自分のポジションを務めようとしたのさ」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 48
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