Exclusive Interview
THE CHAMPION AND A CAUSE

大義のために闘う王者
ルイス・ハミルトン

January 2021

text nick scott

10歳の時のハミルトン(1995年)。

「子供の頃から物を組み立てたり、分解したりするのが好きでした。整備士だった父を真似たかったのです。やがて自分のロードカーを整備するようになり、カートレースでは父がいないときにメカニックの役割を果たしていました。当時から整備を人任せにしないよう取り組んできましたし、F1に参戦してぐっとレベルが上がりました。有能なエンジニアたちとやり取りしながら、さまざまな概念を数字に落とし込む作業はとても面白いんです。何しろ、設計から最初のプロトタイプ、工場での製造まで、裏方のすべてをこの目で見て
きたのですから」

 彼が2013年にスイスの高級時計ブランド、IWCの本社を訪れたとき、いつかこのブランドとコラボレートしたいと思ったのも、テクノロジーやエンジニアリングに憧れを持っていたからだ。

「裏方の仕事を見せてもらったんです。昔から時計が好きでしたが、どうやって作られているか、どれほどの研究開発が行われているか知りませんでした。小さなパーツがすべて手作業で複雑に組み込まれる様子を目の当たりにして、感動しました。程なくして、オリジナルの時計をデザインしたいと申し出たのです」

 こうして昨年発売されたのが、「ビッグ・パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー “ルイス・ハミルトン”」だ。ブラックセラミック製のケースに、バーガンディのダイヤルと布製ストラップ、18Kレッドゴールドのリュウズとケーシングリングを合わせた、ケース径46.5mmの100本限定モデルである。IWCのクリエイティブディレクターの言葉を借りれば、まさに「控えめな高級感を放つ」、特別なタイムピースだ。

2006年、カタロニア・サーキットでレース後の表彰台にて。

本記事は2020年11月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 37

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