Exclusive Interview
THE CHAMPION AND A CAUSE

大義のために闘う王者
ルイス・ハミルトン

January 2021

text nick scott

時計「ビッグ・パイロット・ウォッチ “ブティック・ロンドン”」自動巻き、SSケース、46.2mm ロンドンブティック限定モデル
(※日本では同コレクションで、ブラックのダイヤル&カーフスキンストラップのモデルが購入可能。詳細は次頁の写真のキャプション参照。¥1,455,000) IWC(IWC Tel.0120-05-1868)

恐れを知らない冒険者 こうした問題はハミルトンを困惑させただろうが、おそらく彼は楽しんで対処した。レースで生まれる膨大な詳細データを彼が渇望していることはよく報じられているし、これは彼がFl史上最も成功した英国人ドライバーと評される理由のひとつでもある。また、彼のメンタルの強さもその理由に挙げられる。カート界のレジェンド、マーティン・ハインズは、当時わずか8歳のハミルトンを「一番になるという強靱な意志、優れた感覚と冷静な頭脳を併せ持っている」と評していた。この言葉を今のハミルトンに伝えると、晴れやかな笑顔で勢いよく頷いた。

「確かに、多分にそういう性格です。小さい頃から熱意や成功したいという強い意志がありました。レースをご覧になれば、こうした思いが私の核であることをおわかりいただけるでしょう。そのおかげで成功を収めることができたと思います」

 ハミルトン曰く、今の地位を築くまでにさまざまな逆境を乗り越えて、メンタルがさらに鍛えられたのだという。

「“鉄のメンタル”は、逆境を乗り越える苦労、そして世間の間違いを証明したいという気持ちから来ている部分もあります。こうした思いは徐々に強くなってきました。父は私の夢を叶えるために仕事をいくつもかけ持ちしてくれたので、チャンスは絶対に摑まなければならないと自覚していました。それに、この仕事を続けられるのは当たり前じゃないことをいつも意識しています。20人のF1ドライバーのうちのひとりとしていられるのは本当に光栄です。目指す場所にたどり着けたのは、幸運が重なったおかげです」

本記事は2020年11月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 37

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