September 2020

EÜRO STAR

ダニエル・ブリュール
ドイツ芸術界が誇る若き俳優

photography simon emmett fashion and art direction sarah ann murray
shot on location at kontikistudios.com

大事なのは現実的な意義 2009年、ブリュールはクエンティン・タランティーノの第二次世界大戦映画、『イングロリアス・バスターズ』への出演により、世界的な大ヒット作でのデビューを果たした。同作のマーケティング戦略がスポットライトを当てたのは、主にブラッド・ピットと、彼が率いるユダヤ系アメリカ人部隊だった。

 逆に、まだ知名度の低かった5人のヨーロッパ人メインキャストは、PRの段階では少々影が薄かったが、今や全員がスクリーンで大活躍する存在となっている。

 中でもブリュールは、悲劇的なフレデリック・ツォラーとして登場し、新顔とは思えないほど繊細で力強い演技によって作品を支えたのだ。彼はこう語る。

「この作品の切り口は、すごくいい意味で狂気に満ちている。映画館でヒトラーを亡き者にして歴史を書き換えるというタランティーノの空想は、あまりに見事で笑いが込み上げた。僕は脚本に惚れ込んでいたから、迷いはなかったよ。自分より若いナチ党員という役柄についても、失望感はなかった。参加できることがただただ嬉しく、幸せだったから」

本記事は2017年1月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 14

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