Sunday, September 27th, 2020

THE MAGNIFICENT SEVEN

アーティストとして辿り着く場所

西部劇『マグニフィセント・セブン』で、いぶし銀の活躍を見せるイーサン・ホーク。
90年代の大ブレイク以降、自身の道を選び続けた男は、ハリウッドで唯一無二の存在感を見せている。
text shiho atsumi

Ethan Hawke / イーサン・ホーク1970年生まれ。90年代にジェネレーションXを代表するスターの地位を確立。アカデミー賞では『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』で脚色賞として、『トレーニング デイ』『6才のボクが、大人になるまで。』で助演男優として4度ノミネートされている。近作には『ブルーに生まれついて』『ドローン・オブ・ウォー』。

 2016年の9月、スペインのサン・セバスティアン映画祭でドノスティア・アワード(功労賞)を獲得したイーサン・ホーク。その会見で、出演最新作『マグニフィセント・セブン』について「ドナルド・トランプはこの作品を楽しむと思うか?」と聞かれ、こう答えた。

「間違いなく彼は楽しむと思う。ただこの映画が、実際のところ、彼を倒すために人々が結集するような映画だってことはわからないと思うね」

『マグニフィセント・セブン』は、1960年に作られた『荒野の七人』のリメイク作品で、小さな町を支配する横暴な悪徳資本家と戦う7人のガンマンを描く西部劇だ。インディーズ映画を主な舞台に活躍してきたイーサン・ホークには珍しいメジャー作品だが、その出演にはいくつかの理由がある。

「この昔ながらの西部劇に僕が新しさを感じるのは、デンゼル・ワシントンをリードロールとした多文化的なキャストが許されたことだね。この信頼に足るリアルさが、物語を本当にエキサイティングにしているんだ。人々はオリジナルの『荒野の七人』がどれだけ偉大な作品かを語りたがるけれど、あれはいかにも悪そうなメキシコ人を、それらしいアクセントでしゃべる白人に、それらしい衣装を着せて悪役として演じさせているだけ。7人も全員が白人だ。そういう意味では、真実とは異なっている。偉大なる映画製作と素晴らしい演技の魅力は確かにあるけれど、いい物語であれば世代ごとに語り直される必要があると思う」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 14
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