EÜRO STAR
ダニエル・ブリュール
ドイツ芸術界が誇る若き俳優
September 2020
shot on location at kontikistudios.com
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シルクタイ ¥24,000 Dior(クリスチャン ディオール Tel.0120-02-1947)
2001年、最終的にベルリンに腰を落ち着かせることとなった彼は、現在も同市に婚約者と暮らしており、大評判のタパス・バーまで所有している。偉大なレジェンドと共演する大義 ブリュールは、ラジオドラマの声優や映画の吹き替えを経験した後、変わりゆく1989年のドイツを描いた映画、『グッバイ、レーニン!』(2003年)でブレイクを果たした。同作は、共産主義体制からの移行の初期段階を、不遜(ふそん)かつ面白おかしく描き出している。そしてセザール賞の欧州連合最優秀映画賞を含む数々の賞に輝き、ゴールデングローブ賞にもノミネートされた。評論家たちの反応も好意的で、手厳しいことで名高いウェブサイト、ロッテン・トマトにおいても、同作は90%の支持率を得た。
こうした成功の兆しや評論家の称賛は、ブリュールに先の人生を予感させた。彼がクエンティン・タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』で世界的に知られる存在となるのはもう少し先のことだが、この頃既に、先のスケジュールはいっぱいだった。
2004年には、チャールズ・ダンスが手がけた『ラヴェンダーの咲く庭で』にて、英国最高峰の俳優であるジュディ・デンチやマギー・スミスと共演するという実りある経験をした。同作は大ヒット作というわけではなかったが、ブリュールにとっては、驚異的なキャリアを持つ俳優の素晴らしさを理解する機会となった。彼はこう話す。
「とても懐かしい思い出ばかりだよ。僕は、偉大なレジェンドと共演するチャンスがあれば、必ず挑戦してきた。だって、仕事に対するエネルギー、喜び、情熱を保ち続けてきた人々と共演するのは、とても刺激になるからね。俳優の中には、疲れ切って仕事に嫌気が差し、お決まりの演技をしてギャラをもらうだけになってしまう人もいると思う。けれど一方では、俳優業を心から楽しむ人もいるんだ」
本記事は2017年1月25日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 14