DEEP AND MEANINGFUL

世界の海軍に評価された時計

June 2020

text ross povey

1960年代の「チューダー オイスター プリンス サブマリーナー USネイビー 7928」。

米国での新たなスタイル 米国海軍は「ビッグ クラウン」を手始めとして、1958年からチューダーをダイバーに支給するようになった。最もよく目にする米国海軍のチューダーのサブマリーナーは、水中破壊部隊(UDT)や海軍特殊部隊(SEALs)に大量に支給されたRef.7928である。

 1959年に発表されたRef.7928の生産および米国海軍による使用は、1970年代以降にRef.7016が後を継ぐまで続いた。

 米国海軍のチューダーの一部は裏蓋に刻印が施されていたが、刻印の様式やシステムはフランス海軍の時計よりはるかに多様だった。

 刻印がない場合にコレクターが頼りにするのは、時計の売り手に基づく確かな来歴や、支給された時計の既知のシリアルナンバー群である。現役の兵士が個人的に購入した時計よりも、軍が取得し兵士に正式に支給した時計のほうが、コレクターにははるかに好まれるのだ。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 32
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