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世界の海軍に評価された時計

June 2020

text ross povey

ミリタリーの証 フランス海軍ウォッチの中で最も有名なのは、日付表示がなく、裏蓋に支給年が刻印されたブルーダイヤルでスノーフレーク針のサブマリーナーではないだろうか。

 この時計は、「M.N(. Marine Nationale)」の文字とともに支給年を短縮形で刻印するのが通例だった。例えば1977年であれば、刻印は「M.N.77」となる(ただし、6ページ目の写真のように支給年のフル表記が用いられている場合もある)。

 時計はブレスレットなしで納品され、ファブリックストラップを使って装着された。ダイバーはよく、パラシュートの帯ひもの余りを使って時計用ストラップをこしらえていた。こうしたファブリックストラップは、イギリス軍部隊が身に着けた国防省仕様の引き通し式ファブリックストラップ(現在はNATOストラップとして知られる)と類似している。

 あらゆるカラーのナイロン製NATOストラップを購入できるようになった現在では、どんな装いにも簡単にマッチさせることができるようになった。多くのコレクターにとって特に魅力的とされているスタイルは、日付表示がなく、ブルーダイヤルでスノーフレーク針を持つサブマリーナーを、グレイのNATOストラップで組み合わせたものだ。さらにその出どころが軍であれば願ったり叶ったりである。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 32
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