ADVANCE AUSTRALIAN FLAIR
俳優:ジョエル・エドガートン
オーストラリアからやってきた才能
June 2019
photography gavin bond
fashion direction jo grzeszczuk
フロックコート 参考商品 Dolce & Gabbana
シャツ、チーフ both by Budd Shirtmakers
ボウタイ 参考商品 Ralph Lauren Purple Label
リング The Great Frog
時計「L.U.C クアトロ」18KRGケース ¥2,890,000 Chopard
メガネ property of Joel Edgerton
こうして『華麗なるギャツビー』でレオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイアらと共演。そして次に出演した実録のクライム・サスペンス『ブラック・スキャンダル』(2015年)では、ジョニー・デップ、ベネディクト・カンバーバッチらと共演した。エドガートンは、実力派俳優を支える脇役を演じることについて、謙虚かつ前向きな姿勢を見せる。
「むしろ、作品の一番前や真ん中に立つことのほうが怖い。自分をムービースターと呼べることが前提だと思うし、映画がコケたら、それで評価されてしまうからね。ムービースターと一緒に仕事ができるのは、素敵なことなんだ。まず作品全体を引っ張る責任を負わなくていいから。その一方で、その術を心得ている人、つまり作品で一番前や真ん中にどう立つべきかわかっている人と肩を並べられる。彼らは、共演相手としても最高の人物だからこそ、いつもその立ち位置にいられるんだと思う」
『ブラック・スキャンダル』は、エドガートンが立て続けに出演したサスペンス映画のうちの1本である。もうひとつの作品、『ザ・ギフト』では、脚本、製作、そして自身初となる長編映画の監督も務めている。ジェイソン・ベイトマン演じるサイモンの元同級生、ゴード役で出演もしているのだが、あまりに不気味だったためあまり認識されていない。ブルー・タン・フィルムズが製作したこのサスペンス映画のコンセプトは、エドガートンがまだ実家で過ごしていた時代に遡る。
「母親が『白と黒のナイフ』のような心理サスペンスにハマっていたんだ。地元の町のビデオ店から擦り切れそうなビデオテープをたくさん借りてきてね。そこから僕もヒッチコック風の作品にすごく興味を持つようになったんだ」
高い演技力を求められた実話 エドガートンの最新作『ラビング 愛という名前のふたり』は、1950年代のバージニア州で異人種間の結婚をした夫婦が、アメリカでの汚点ともいうべきジム・クロウ法と闘った実話に基づく壮大な物語だ。エドガートンが夫のリチャード・ラビングを、ルース・ネッガが妻ミルドレッドを演じ、そのふたりの演技力にオスカー大本命との呼び声も高かった。
この作品でも、エドガートンが演じているとは気づかれにくい。黄ばんだ歯や脱色した髪など、彼が演じたリチャードの(アクセントも含めた)身体的特徴が傑出していたためだが、何よりも心理描写の上手さが際立っていた。彼にとって感情移入や一体感という概念は極めて重要なことで、それなしでは役に入り込めないという。
「感情移入というのは、僕が芝居を考えるうえで非常に難解な言葉だ。この作品では特に肝心だった。とにかく役になりきろうと努力し、自分なりのやり方を見つけ、その人の人生と同じような経験を手がかりにしようとした」
コート、ホワイトデニム、グローブ all by Gieves & Hawkes
カシミアジャケット Thom Sweeney
ニット Cerruti 1881
シューズ「ASHTON」(参考色) John Lobb
ソックス¥2,800 Pantherella
本記事は2017年3月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
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