USEFUL IN DAILY LIFE
―Audemars Piguet オーデマ ピゲ―
毎日使える
1000万円超えの機械式時計
June 2021
それが現代における超高級時計との付き合い方ではないか。
ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ過去モデルを科学的に解析し、理想的な音質と音量を追求した新時代のミニッツリピーター機構「スーパーソヌリ」を搭載。ケースバックの内側に反響板を収め、そこにゴングを取り付けて音を大きく響かせる。この機構をロイヤル オークに搭載するのはジャパンブティック限定モデルのみであるため、世界中で話題となっている。限定35本。自動巻き、Tiケース、42mm。¥35,900,000 Audemars Piguet(オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000)
ひと昔前の高級品の世界は、“ハレ”と“ケ”が強く意識されていた。特別なシーンのために、特別なアイテムを所有することが、最高の贅沢だったのだ。しかし昨今の高級SUV車の人気が証明するように、超高級なモノを日常使いするというのがむしろ、現代らしい楽しみ方となっている。ちょっとしたシーンであっても、最良を選び、しかもこれ見よがしではなくさらりと使いこなす。この感覚こそが、現代のラグジュアリーアイテムに求められているバランスなのだ。
高級時計でそのセンスをうまく取り入れているのが、スイス屈指の名門「オーデマ ピゲ」である。同社は1972年に後のマスターピースとなる「ロイヤル オーク」を発表。この時計はドレスウォッチに匹敵する薄型ケースに美しい細部仕上げを施しつつ、ケース素材はタフなステンレススティールを採用し、50mの防水性を備えていた。のちに“ラグジュアリースポーツウォッチ”として新たなジャンルを切り拓くことになるが、それは高級時計を日常使いするというスタイルの始まりでもあったのだ。
ロイヤル オークは来年で誕生50年目を迎えるが、むしろ人気はさらに加速している。それはまさしく高級時計を日常使いするのに最適の時計だからである。現在はバリエーションも拡大しており、音色が自慢のミニッツリピーター機構「スーパーソヌリ」や、時計技巧の粋を集めた「ロイヤル オーク コンセプト」といったスポーティ&タフで、毎日使える超絶ウォッチがラインナップしている。
さらに2019年にデビューした「CODE現代人のデイリーライフに寄り添う超高級時計11.59 バイ オーデマ ピゲ」にも注目したい。このモデルは前面から見ると端正なラウンドウォッチでありながら、その間にアイコニックな八角形のミドルケースを挟むという大胆な造形美を楽しむ新世代ウォッチ。ケース径は41ミリとボリューム感があるので、ドレッシーにもカジュアルにも合わせやすいクロスオーバーな時計になっているのだ。
もちろん“ 毎日使える”とはいえ、このレベルの時計を購入する愛好家であるなら、既に複数本の時計を所有しているだろう。しかしオーデマ ピゲの時計たちは歴史と伝統を守りつつ、大胆なデザインや機構を、丁寧な仕上げによって形にしているので、その魅力が褪せることはない。だからラグジュアリーウォッチを、むしろ毎日使いたくなるのだ。
ロイヤル オーク コンセプト トゥールビヨン
クロノグラフ オープンワーク2002年からスタートした「ロイヤル オーク コンセプト」は、大型の多面カットのスポーティなケースに、圧巻のハイコンプリケーションを組み合わせ、オーデマピゲの革新性を表現するコレクション。このモデルはトゥールビヨンとクロノグラフ機構を搭載するが、ふたつのブリッジをゴールド製にするのがジャパンブティック限定モデルの特徴だ。限定25本。自動巻き、Tiケース、44mm。¥41,850,000 Audemars Piguet(オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000)
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ
フライング トゥールビヨン クロノグラフ下から機構を支えることで、浮遊しているように見せるフライング トゥールビヨンを搭載。さらに完璧なシンメトリーに仕上げたスケルトンムーブメントも美しい。8角形のミドルケースが別体になっているケース構造を利用したコンビケースになっており、立体的で繊細な仕上げがさらに引き立っている。世界限定50本。自動巻き、18KWG×18KPGケース、41mm。¥28,700,000 Audemars Piguet(オーデマ ピゲ ジャパン Tel.03-6830-0000)
本記事は2021年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 39