THE LATEST CLASSIC

トム・スウィーニーの世界

January 2021

text yoshimi hasegawa
photography edward lakeman

新時代のテーラーを実感させる店内。ディスプレイのように置かれた無数のクライアントの型紙、低く流れるモダンジャズ、ウィスキーのデキャンタボトル、モダン・ジェントルメンの隠れ家を意識した店内には彼らの美学が反映されている。

「両親がビスポーク・テーラーの顧客だったから、小さい頃から両親に連れて行かれて、この世界に親しんでいた。自分にとってテーラーはクールでカッコイイ、憧れの職業だった」とトム。

 彼らにとってのクール・アイコンは映画『トーマス・クラウン・アフェアー』のスティーブ・マックイーンや『007』のジェームズ・ボンドを演じるショーン・コネリー、スーツによる男の装いの美学を極めた男たちだ。

 英国を代表するモデル、デヴィッド・ガンディが着用した彼らの3ピース・スーツは、ラウンドシェイプのウェストコートが印象的なダブル・ブレスティッド、それまで古臭いと思われていた3ピース・スーツのイメージを根本から覆した。それはスタイリッシュでモダン、それでいてクラシックな男の装いの持つタイムレスな魅力に溢れていた。

 このようにクラシックなブリティッシュ・テーラーリングに、洒脱なイタリアン・テイストを加えたモダン・クラシックが彼らの真骨頂だ。

本記事は2015年5月23日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 04

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