イタリア発の生地マーチャント「STYLBIELLA」の革新的提案とは？

見開き右に生地が貼られ、左にその生地で仕立てたジャケットを着たモデルの写真が掲載されたスタイルブック。本記事最後で紹介しているジャケット＆タキシードは、このようなスタイリングで提案している。

　1975年にピエロ・ペリーノとその家族によってイタリア服地産業の聖地ビエッラにて創業した生地マーチャント「スタイルビエッラ」が大きな話題を呼んでいる。これまでは高級既製服向けの生地卸しが中心だったのだが、高級テーラー向けのビジネスへと舵を切ったのだ。

　定番のバンチブックが用意されているところは他のマーチャントと同様だが、スタイルビエッラが画期的なのは、それとは別にスタイルブックが毎シーズン4冊用意されている点だ。同ブックにはカット生地が貼られており、同じ見開きページ内にその生地で仕立てた服を着たモデルのスタイリング写真が掲載されている。バンチブックのカット生地だけでは仕上がりのイメージが湧かずに提案性の高い生地には挑戦しにくいところだが、スタイルブックで仕立て上がった服の着用写真を確認できるので、デザイン力の高い生地にもトライしやすくなるのが、このシステムの優れたところである。

定番のバンチブック（上段）も揃う。シーズンの提案性の高い生地はスタイルブック（下段）にて案内される仕組みだ。

左：セールスディレクターのピエロ・アントニーニ氏。ビエッラの数々の有名ミルで25年の経験を積んだ生地のスペシャリストだ。右：マルキシの代表である岸 秀明氏も、このブランドに大いなる可能性を感じるという。

「バラエティに富んだスーツ地はもちろん、コートやシャツの生地に至るまで、ラグジュアリーなテーラリングに必要な全てのカテゴリーのプレミアムファブリックを揃えています。そのコレクションは約2000種にも及び、根底には常に『100% メイド・イン・イタリー』という我々のポリシーがあります」と、セールスディレクターのピエロ・アントニーニ氏。

　スタイルビエッラを日本に紹介する輸入服地卸商マルキシの代表 岸 秀明氏は、「スタイルビエッラはその卓越した『提案力』と『革新性』により、業界で大きな注目を集めています。ルックブックを用意しているブランドは他にもありますが、スタイルビエッラのボリューム、内容は圧倒的です。生地の品質の高さはもちろん、シーズンのテーマカラーを取り入れたトレンド感も魅力です。見ているだけでワクワクしてくると思います」とのこと。

　ルックブックに掲載されているモデルのコーディネイト写真を参考に、新提案の生地にも気軽にトライしてみては！

STYLBIELLAで仕立てた1着: Cifonelli

洗練されたリネンウールパリの名門チフォネリのナローラペルモデルは非常に洗練された印象で、洒脱な3パッチポケット仕様。涼感溢れるリネン60％、ウール40％の生地で、サラッと装うのが粋だ。ジャケットは国内縫製のメイド トゥ メジャーで、納期は約5週間。ジャケット¥231,000～（オーダー価格）Cifonelli、シャツ¥40,700～（オーダー価格）Choya Bespoke、トラウザーズ¥46,200 Fumiya Hirano The Trousers / both by Nihombashi Mitsukoshi　タイ¥18,700 Franco Bassi / Beams F

STYLBIELLAで仕立てた1着: Hideaki Sato

華のあるピンクタキシードダブルブレステッドで貫禄たっぷりな、ヒデアキ サトウのタキシード。大定番の黒、ミッドナイトブルーに加え、昨今ではライトピンクのような華やかな色合いのタキシードの人気も増しているという。ルックブックで仕立て上がりのイメージを確認できるので、挑戦しやすい。タキシードは国内縫製のメイド トゥ メジャーで、納期は約5週間。タキシード¥335,500～（オーダー価格）Hideaki Sato　ボウタイ¥4,950 Fairfax / Nihombashi Mitsukoshi　シャツ、チーフ property of stylist