ICHIRO SUZUKI

日本で買える“サヴィル・ロウ” vol.4

May 2020

ロンドンとは9000㎞以上も離れていながら、
実にさまざまなサヴィル・ロウ・スーツが選べる我が国。
本家の超名門に加えて、当地で修行した
日本人テーラーも交えてご紹介しよう。
text hiromitsu kosone photography jun udagawa styling akihiro shikata

ICHIRO SUZUKI“イチロウ スズキ”

スーツ¥190,000 〜(メイド トゥ メジャー価格) Ichiro Suzuki
タイ¥28,000 Seven Fold/both by Isetan Shinjuku(伊勢丹新宿店 Tel.03-3352-1111)
シャツ¥31,000 Drake’s(ドレイクス 銀座店 Tel.03-6263-9955)

オーセンティックとモダニズムが同居する作風かのヘンリー・プールで日本人初のカッターを務めた鈴木一郎氏によるブランド。現在はパリに拠点を置き、一流メゾンブランドでデザイナーとしても活躍する異才で、スーツの作風もオーセンティックなサヴィル・ロウ・スタイルに独自のモダナイズを加えたものになっている。高めのゴージラインから緩やかに弧を描くラペルで優雅な胸回りを演出しつつ、フロントカットは直線的に仕上げてメリハリを利かせているあたりがなんともすばらしい。生地は美しいシワ感が魅力なスペンスブライソン製のリネンで、着込むほどに味わいが深まるのも楽しみな一着だ。

Detail英国的センスを感じさせるボタン

ボタンは2つ穴で、適度に厚みのあるマットな質感のものを採用している。ブリティッシュテーラーが好んで用いるタイプで、ヘンリー・プール出身の鈴木氏らしいチョイスといえるだろう。

Key Person

鈴木一郎デザイナー/テーラー
セントマーチンなどと肩を並べる英国の名門ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでファッションを学び、同校在学中からヘンリー・プールでカッターとして活躍。さまざまなファッションコンテストで賞を獲得し、現在はパリのビッグメゾンでデザイナーを務めている。自らの名を冠したイチロウスズキはメイド トゥ メジャーのブランドとして展開している。

本記事は2020年1月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 32

Contents

<本連載の過去記事は以下より>

“サヴィル・ロウ・スタイル”とは何か?

日本で買える“サヴィル・ロウ” vol.1

日本で買える“サヴィル・ロウ” vol.2

日本で買える“サヴィル・ロウ” vol.3

日本で買える“サヴィル・ロウ” vol.5

日本で買える“サヴィル・ロウ” vol.6

日本で買える“サヴィル・ロウ” vol.7