RAKE-IN-PROGRESS:SAM HEUGHAN
サム・ヒューアン インタビュー
September 2018
text jessica beresford
photography nick kelly
——多くの人々がすでに知っているキャラクターを演じるにあたって、どのようにアプローチしましたか?
「本の中のイメージと実写の姿を比べるのは、見る側としては楽しいことだと思います。しかし、演じる側としては大きなプレッシャーを感じます。ファンの期待に背いたり、がっかりさせたくないからです。最初にこの役を演じるということになったとき、原作の偉大さや、古くからのファンが、どれだけこの作品を大切に思っているかを、理解出来ていないのではと心配していました。しかし最初のオーディションを受けたとき、私は、私がこのジェイミーというキャラクターをすでに知っているように感じました。私がラッキーだったのは、ジェイミーの故郷であるスコットランドとスコットランド人について、多くを共有していたことです。なにしろ私は、スコットランド人そのものなのですから」
——トラディショナルなスコットランド人から、スパイ・コメディまで、どのように演じ分けていますか?
「コメディの世界は、私が考えたこともないものでした。しかし、“The Spy Who Dumped Me”の脚本を読んだとき、私は大声で笑っていました。そしてコメディ映画のシナリオを読む機会なんてめったにないし、それは実際に面白いと感じました。最近のコメディ映画の多くは、スラップ・スティックやビジュアル・コメディです。しかし、その脚本はとてもよく考えられており、構成と会話が緻密で、よく出来ていると思いました。主演のミラ・クニスとケイト・マッキノンは、素晴らしい女優ですし、彼女たちと仕事をできるのはいいチャンスだと思いました。撮影初日には、大きなプレッシャーを感じました。なぜなら、私はシリアスなドラマの仕事しかしたことがなかったからです。ドラマの世界では、すべてのセリフをきちんと、正確に言わなければいけません。ところがコメディの世界は、まったく違っていました。ミラ・クニスとケイト・マッキノンはアドリブを連発して、脚本のセリフとは全然違うことを言っていました。最初はどう対応していいか、ぜんぜんわからなかったけれど、そのうち私も同じことをするようになっていました。素晴らしい経験でしたよ」