LOWER CASE, HIGHER PURPOSE
ユーモア溢れるサステナビリティ
エルメスの“プティ アッシュ”
September 2020
クリエイティブ・ディレクターであるゴデフロワ・ドゥ・ヴィリユーが、アトリエがいかにして創造性、
サステナビリティ、伝統、ユーモアの感覚のバランスをとっているかを説明する。
Godefroy de Virieu / ゴデフロワ・ドゥ・ヴィリユー1970年、パリ生まれ。1998年、工業創造高等国立学校(ENSCI)卒業。同級生であり友人でもある写真家のリップ・ホプキンスとともに製造業の世界に足を踏み入れる。2009年、彼は友人らとボタニカル・デザインの会社、BACSACを設立。同時に、妻であるデザイナーのステファニア とともに、エルメスのプティアッシュ・プロジェクトに参画。2018年にプティ アッシュのクリエイティブ・ディレクターに任命された。
1960年代、当時まだ少女だったエルメス一族のパスカル・ミュサールは、エルメスのワークショップをよく探検していた。職人の机の上で進行中の作業に触れることは禁じられていた。 しかし、アトリエの床に捨てられたもので遊ぶのは自由だった。
「私はそれらの素材を手に取り、これで何ができるのだろう、と思っていました」とエルメス創設者のティエリー・エルメスの子孫である彼女は、THE RAKEに語った。
「振り返ってみると、プティ アッシュのコンセプトは、あのときに始まっていたのかもしれません」
ミュサールは、彼女の人生のほとんどを家族経営の会社で費やし、2010年には長らく温めていた構想をプロジェクトとして立ち上げた。
本記事は2020年7月27日発売号にて掲載されたものです。
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THE RAKE JAPAN EDITION issue 35