Monday, October 28th, 2019

LIVERANO & LIVERANO at Eleganza Sobrietà
リヴェラーノ&リヴェラーノという文化を広める
“エレガンツァ ソブリエタ”が発信するエレガンス

アントニオ・リヴェラーノ氏が率いるリヴェラーノ&リヴェラーノの世界に心酔している
岡山のメンズクロージングストア「エレガンツァ ソブリエタ」は
その世界を日本で再現しようと、偉大な文化を日本に広める一歩を踏みだした。
photography jun udagawa styling akihiro shikata text yuko fujita

Junichiro Yamada / 山田 潤一郎(左上)
1977年生まれ。長らく大手セレクトショップでキャリアを積んで銀座店店長を務めたのち、四国の愛媛県松山市にてメンズクロージングストアの「ドレッサーズ」を2009年にオープン。リヴェラーノ&リヴェラーノの最もよき理解者である。

Antonio Liverano / アントニオ・リヴェラーノ(左下)
1937年生まれ。プーリア州パラジアーノ出身。7歳で仕立ての見習い仕事に就き、48年に11歳年の離れた兄ルイージがフィレンツェに渡って工房を構えたのを機にフィレンツェに移り住む。78年、リヴェラーノ&リヴェラーノをオープン。

Tomoya Iuchi / 井内 智也(右上)
1980年生まれ。リヴェラーノ&リヴェラーノが織りなす独特の世界に魅せられ、彼の世界観を多くの人たちに知ってもらうべくオープンした岡山のメンズクロージングストア「エレガンツァ ソブリエタ」のショップマネージャー。

Takahiro Osaki / 大崎 貴弘(右下)
1979年生まれ。2002年にフィレンツェに渡り、リヴェラーノ&リヴェラーノに入る。アントニオ・リヴェラーノ氏から絶大な信頼を寄せられており、ショップマネージャーとして活躍しながらプレタポルテの企画や生産を仕切っている。

THE RAKE サルトリアという枠を越えてフルコレクションでプレタポルテを展開しているところは、イタリア全土を見渡してもルビナッチとリヴェラーノ&リヴェラーノくらいで、ただしそれを1代で成し得たところとなるとリヴェラーノ&リヴェラーノのみなんですよね。世界にその名が知られるようなった今、プレタポルテはリヴェラーノという独特の世界をお客さんに伝えるにあたってとても重要な役割を担っていると思うんです。
リヴェラーノ リヴェラーノ&リヴェラーノという世界をより多くの方たちに知ってもらうために、30年も前からずっとスーツやジャケットのプレタポルテを展開してきました。すぐにスーツを必要とする方たちもいれば、もっと気軽にスーツを楽しみたい方たちもいて、理由は異なりますが、プレタポルテは一定の人気を誇ってきました。我々にとってひとつの契機となったのは2016年です。プレタポルテに関しても自社の工房を構え、製品のクオリティをさらに高めることを試みたのです。私はもう高齢ですし、タカ(大崎氏)も立派に成長してくれましたので、プレタポルテはタカに一任しているのですが、単にリヴェラーノの世界を表現してくれているだけでなく、そのスーツやジャケットはス ミズーラに肉薄するほど完成度が高まりました。私からすれば困ったことです(笑)。
大崎 ス ミズーラと同じデザインのプレタポルテは確かにすぐに着られて便利ではありますが、ときに安易なものになってしまいますし、やはりス ミズーラには敵わない。そこで、今のス ミズーラとは異なる、昔のリヴェラーノのスタイルにこだわって作ってみることにしたのです。今展開しているプレタポルテのスーツ&ジャケットは、ほぼすべて昔のリヴェラーノ&リヴェラーノのスタイルになっています。具体的には、よりゆったりし、ゴージラインが低く、スリーブは太めで、胸の膨らみが豊かな服です。これが大変好評を得ておりまして、ス ミズーラをされたお客様も買われていきますし、合わせるシャツやタイも一緒に買われていきます。
山田 私も昔からリヴェラーノ&リヴェラーノの大ファンで、それもあって私の店でも扱わせてもらっているのですが、リヴェラーノ&リヴェラーノというと日本ではオーダーの服という認識が未だに強いように思います。でも、フィレンツェのお店に行けば、シャツやネクタイ、ニットや小物などの唯一無二で魅力に満ちた製品がズラリと並んでいて、トータルで魅せる世界が広がっている。そんなアントニオさんの美意識をもっときっちり伝えていきたいと切に思っていますし、それが私の使命だとも思っています。単品のネクタイとか、単品のスーツとかで見ると、モノのよしあしだけでここの作りがどうとかいう話になりがちですけど、リヴェラーノの魅力ってもっとトータルな世界にあると思うんです。
井内 昨年の9月に岡山に「エレガンツァ ソブリエタ」をオープンし、THE RAKEさんでも紹介してもらったこともあり、全国から非常に多くのお問い合わせをいただいています。スーツやジャケットもこれからたくさん入荷してきますし、それを軸にしながらも、山田さんがおっしゃるようにリヴェラーノ&リヴェラーノの世界をお客様に伝えていくことが自分たちの使命だと思っています。
リヴェラーノ そういえば、ヤマダには昔から好きだ好きだと言われ続けてきたんです。でも、ヤマダが男でよかった。だって、結婚する必要がないからね(笑)。
山田 ははは、アントニオさんにはだいぶしつこく言ってしまったかもしれません(笑)。ただ、今まで服と長く付き合ってきた中で、若い頃は蘊蓄や貯め込んだ知識に惑わされる部分が多々あったんですけど、リヴェラーノの服って絵を見るのと同じでただ単純に美しいんです。その美しさはアントニオさんが今日までずっと鍛錬してきたからこそで、その結果辿り着いたものだと思うんです。その美しさを身に纏えるということに惚れ込んだっていうのはありますね。
大崎 そうですね。これから日本で本格的に展開が始まるにあたって、そのリヴェラーノの世界がフィルターをかけられずにダイレクトに伝わっていってほしいなという願いはあります。
井内 リヴェラーノを着るというのは文化の一部ですからね。
大崎 そう言っていただけると嬉しいです。自然な流れの中にある生活の一部の愉しみであってほしいなという思いあります。スーツやジャケットもそうですけど、シャツ、ネクタイ、小物なんかも、朝起きた気分で選びましょう、という。セオリーどおりこれにこれを合わせようとかいうのでなくて、気分で選びましょう、ってね。そういったリヴェラーノの世界が伝えられると嬉しいです。
山田 売ったら終わり、買ったら終わりという服にはしたくないですよね。フィレンツェに行った際はアントニオさんといつも一緒に長い時間を過ごさせていただいています。その中で学ばせてもらったことは、リヴェラーノ&リヴェラーノを通して衣食住のうちの衣が、人生をどれだけ楽しく豊かなものにしてくれるのか、ということです。それをひとりひとりに伝えていこうと思います。
大崎 お客様にご提案する際に何故これを選んでくれたのですかって訊かれたら、これが今の気分なんですってお答えしてしまうと、今まで皆さんハテナマークだったんですけど、お客様もそれを理解していただけるところに差しかかってきたなっていうのは最近すごく感じます。
井内 リヴェラーノ&リヴェラーノの世界って、いわゆる典型的なトスカーナやフィレンツェの町のレンガ色や丘陵や土の色などとは異なりますよね。秋だったら茶色のイメージですけど、赤もあるし、黄色もあるし、糸杉は年中緑ですし、視点の違い、表現の仕方の違いで、そこは変わってくると思うんです。
山田 リヴェラーノに通いだして2年目のときに店内にずっといたら、アントニオさんにウッフィーツィ美術館にはもう行ったのかと訊かれ、まだですと答えたら、初めて叱られたんです。せっかくフィレンツェに来たんだから、こんなところにいないでもっと五感でいろいろ感じてきなさい、と。そこで目にした美しさや色彩は、自分の美意識として自然と根付いて装いにも必ず影響してくるんだから、と。
井内 そのような中から生まれたリヴェラーノ&リヴェラーノの世界を多くの方たちに堪能していただきたいですね。

ELEGANZA SOBRIETÀ
エレガンツァ ソブリエタ
岡山県岡山市北区問屋町15-101 問屋町テラス2F
営業時間:11:00 ~ 20:00 無休
TEL.086-805-0333 www.eleganza-sobrieta.com

本記事は2019年5月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 28

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