October 2018

‘IT’S THE CLOSEST I’LL EVER GET TO BEATLEMANIA’

マーティン・フリーマン
ロングインタビュー

text nick scott photography simon emmett fashion and art direction sarah ann murray

 暴言を吐く人たちが、その被害者のリアクションを直接見られない、というのも問題のひとつだと彼は言う。

「ルイス・C・Kがとても分かりやすく、こんな説明をしている。もしひどいことを直接人に言ったら、リアクションが返ってくる。だけど、ソーシャルメディア上では、『こいつは嫌な奴、あいつはまぬけな男、あの女はろくでなし』と言っても、何のリアクションもない。お金もかからない。自分が他人に対してしている不快な行動や発言にも、残酷さにも慣れていく危険性がある。こんなのは進化じゃない。他にも、ジョン・ロンソンが『So You’ve Been Publicly Shamed(原題)』という本で素晴らしい説明をしている。初めは正当な怒りから始まったはずが、あっという間に攻撃や虐待、いじめのようになっていく過程についてね。こんなことは、僕たちがすべき最善のことは言えないし、僕自身は関わりたくない。四六時中、他人が自分についてどう思っているか分かるなんて、最悪だろ? 僕らは霊長類なんだから、物事を秘めたり、偽ったりすることを知っているはずだ」

 ソーシャルメディアだけでなく、レビューもタブロイド紙のくだらないお節介な記事も見ないようにしている。実際の彼は、プロの俳優のイメージとは程遠い繊細な男なのだ。

「他人が書いた僕の悪口なんて読む必要がない。僕を好きじゃない人がいるのは分かってるしね。ただ、人が自分のことをどんなふうに嫌っているのか読んで、ケロッとしていられるほど強くないだけだ。そういうの、すごく気になるほうでね。実は精神面でも感情面でも弱いんだ」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 09
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