October 2018

‘IT’S THE CLOSEST I’LL EVER GET TO BEATLEMANIA’

マーティン・フリーマン
ロングインタビュー

text nick scott photography simon emmett fashion and art direction sarah ann murray

ファッションへの強いこだわり 彼は洋服の話になるとがぜん生き生きとして見える。この日は、薄く柄が入った長袖のTシャツ、スリムカットのダークブルーのジーンズ、見るからに高級なブルーのデザートブーツというパンチの効いた着こなしだった。人生のほとんどを、ファッションへのこだわりを持って生きてきたという。洋服に目覚めたきっかけは、ツートーン(1970年代後半のスカのリバイバル)だった。

「9歳くらいの頃、初めてマッドネスとかザ・スペシャルズ、ザ・ビートとかを見て、自分の中の何かが目を覚ましたんだ。ザ・スペシャルズの音楽を楽しむのに、ジェリー・ダマーズと同じ格好をする必要もない。そのせいか、まずは音楽から入って、洋服はその後だった。もう少しダンディな要素は、ザ・スタイル・カウンシルに影響を受けたよ。ポール・ウェラーとミック・タルボットは誰よりもお洒落だったからね」

 今回の記事の写真からも分かるように、フリーマンにはクラシックでエレガントなスタイルがよく似合う。衣装には彼の私物も含まれているのだ。しかし、彼のファッションへのアプローチは多面的である。男らしい装いの中に、どこか女性らしさが漂うようなスタイルをずっと好んできたという。

「モッズムーブメントは、西インド諸島出身者たちの影響も大きかったけど、ゲイの影響なしでは起こらなかったんじゃないかな。1965年に自らをモッズと呼んだ人たちのほとんどは、ゲイとして知られるオスカー・ワイルドの本を読まなくちゃ、と必ずしも考えていなかっただろうけど、やっぱり生まれながらの女性っぽさがないと、あのスタイルは完成しなかったと思う。実際、モッズが流行する前、人々はあんな色を着なかったし、洋服にそれほど関心を抱いていなかった。どちらも本質的に女性っぽいことだと見なされていただろうからね。僕らが話しているのは、まさに染みひとつない仕立てのいい服を着ながら、ハンマーを持ち歩いて人の顔を叩きつぶす少年たちのことだ。暴力は嫌いだけど、ああいう若者のグループみたいなものがなくなったのは、ちょっと寂しいよ。彼はこう、彼はそうっていうのが好きだった。僕は違いがあることが好きなんだ」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 09
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