May 2021

DORMEUIL “15.7 4PLY BRIO”

ドーメルの名作服地“15.7 4プライブリオ”の魅力とは?

photography jun udagawa
styling akihiro shikata
text yuko fujita

ドーメルは歴史の中で
常に革新を繰り返している
山浦 “15.74プライ”の生地はクリアカットのタイプは綾織りですし、6プライや8プライは風合いはざっくりしていますが夏に着るにはやや重たい感じです。その点、平織りの“15.7 4プライブリオ”はサラッとしていて肌離れがよく、肌を刺激しない柔らかさをいい感じに備えています。

鈴木 ヌメリというかね。

山浦 そういうのをモヘアであっても備えているのがこの生地の魅力です。

鈴木 現社長のドミニク・ドーメルは中途半端な原料は使いたくないという気持ちが凄く強い人なんです。180年近い歴史の中で培ってきたレシピの中で、ただ伝統にこだわるのではなく、その中で最良のレシピを使っていくのが彼のやり方です。最高の原料を最良のレシピで作って素晴らしい服地を作り続けている。値は張ってしまいますが、そこはとても誇らしいです。

山浦 ゴリゴリだったりカサッとした肌触りの英国生地人気が続いていましたが、一歩進んで、素材自体のタッチがよく、軽くて柔らかな着心地が求められるようになってきましたが、長く着られる耐久性は依然としてマストで、それを同時に備えた生地が“15.7 4プライブリオ”なんですよね。従来の4プライはゴリゴリなイメージがありますけど、これは全然違います。

鈴木 この手のいい原料はいかに軽くテロッとさせるかが重視されてきましたが、これは逆に贅沢に糸を使って織り上げていますからね。

山浦 耐久性だけでなく、しなやかさ、ラグジュアリー感も求められるようになってきた中で、その手の生地は本当に少ないんですよね。最高の原料を最高のかたちで料理するのは、できるところが本当に限られてきます。“15.7 4プライブリオ”は、他では真似できない生地なんだと思います。

ドーメルを世界に知らしめた
革新的名作服地
1842年に創業したドーメルが20世紀に生み出した、今なお愛されている三つの革新的名作服地をご紹介。

SPORTEX1922年(スポテックス)
耐久性と快適性を備えたスポーツ用のジャケット服地

「le tissu des champions, le champion des tissus(王者の生地、生地の王者)」というキャッチコピーとともに登場した、耐久性と快適性を備えたスポーツ用のジャケット服地。ゴルファーたちの人気を集めた。のちにスーツ用の服地としても大人気を獲得。


TONIK1957年(トニック)
ドーメルの地位を不動のものにした名作中の名作モヘア

ドーメルの歴代生地コレクションの中で最も有名なのが、モヘアウール素材のトニックだ。抜群の張り感と弾力性、清涼感に富み、シワになりづらく、落ち着きのある自然な光沢を備える。三越伊勢丹では、発売当時のレシピで復刻したオリジナルトニックも展開。


SUPER BRIO1958年(スーパーブリオ)
モヘア60%混の春夏向けの軽量服地

トニックと並び称されるドーメルを代表するモヘアウール服地。トニックはキッドモヘア50%だったが、スーパーブリオはキッドモヘアを60%使用し、またトニックよりもライトウエイトに仕上がっているので、より清涼感のある春夏用服地として人気を呼んでいる。

What’s DORMEUIL “15.7”?
ドーメル“15.7”とは何か?
スーパー160’sに相当する原毛を使用した糸を、経糸・緯糸ともに2本に撚り合わせた糸を織り上げた2プライの生地として登場。それをもとに三越伊勢丹が別注したのが、下記の生地だ。撥水機能を備えた6プライもラインナップ。

ドーメルのモヘア服地は
新旧ともに輝かしい魅力を備える

DORMEUILの新名作服地
“15.7 4Ply Brio”で仕立てた
HIDEAKI SATO(左)
4プライとモヘアの見事な融合
4プライのイメージを覆す、しなやかなかつ軽やかで、素晴らしい張り感を備えた“15.7 4プライブリオ”は、品のあるミラノスタイルをさらに上のステージへと運んでくれる。国内縫製のメイドトゥメジャーで、納期は約5週間。スーツ¥330,000(オーダー価格) Hideaki Sato/ⒶⒷ、サックスシャツ¥26,000 Maria Santangelo タイ¥28,000 Seven Fold both by Ⓐ

DORMEUILの名作服地
“Original Tonik”で仕立てた
HENRY POOLE(右)
着て馴染ませるモヘアウール
生地は“トニック”が登場した当時のレシピで復刻した390g/mの“オリジナルトニック”。サヴィル・ロウの王道にふさわしい仕立て映え感で、着るほどに馴染む。国内縫製のメイドトゥメジャーで、納期は約5週間。スーツ¥335,000(オーダー価格)Henry Poole/ⒶⒷ シャツ¥27,000 Vanacore、タイ¥28,000 Seven Fold both by Ⓐ チーフ property of stylist

お問い合わせ先
Ⓐ伊勢丹新宿店 TEL.03-3352-1111(大代表) 
Ⓑ日本橋三越本店 TEL.03-3241-3311(大代表)

本記事は2021年3月25日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 39

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