Sunday, January 12th, 2020

BEYOND THE HORIZON - FERRARI SF90 STRADALE

フェラーリを超えた、フェラーリ

2019年5月にフェラーリ本社のあるマラネッロでその姿を披露したSF90ストラダーレ。
フェラーリ初の量産型PHEV(プラグインハイブリッド)の登場にフェラーリファンのみならず自動車業界がざわめきたったのはご想像の通り。
その話題のクルマが10月初旬早くも日本上陸、アンベールされた。はたしてSF90ストラダーレとは?
text tatsuya kushima photography yoshiaki tsutsui(portrait)

Dieter Knechtel / ディーター・クネヒテルフェラーリ極東・中東エリア統括CEO。1972年、オーストリアのウイーンに生まれ、ウイーン大学で理学士号およびマーケティングの修士号を取得。1995年にシトロエンに入社し、自動車業界へ。ルノー、ポルシェ等にてキャリアを重ね、2015年4月1日より、現職。世界各地で仕事をしてきた経験から、ドイツ語、英語、フランス語、スペイン語が堪能なほか、会話レベルで中国語と日本語をこなす。

「フェラーリが将来どんなモデルをつくっていこうかというのは常日頃から話し合われています。その中で、プラグインハイブリッドにしようという計画が湧き上がったのは2016年初旬でした」

 そう語り出したのはディーター・クネヒテル氏。フェラーリ極東・中東エリア統括CEOとしてシンガポールに在住している人物。日本にも度々訪れている“日本通”だ。そんな彼がSF90ストラダーレについて小誌に語ってくれた。

「プラグインハイブリッドを導入する上での技術課題はバッテリーの重量対策でした。フェラーリはドライビング・ダイナミクスを一切損なうわけにはいきません。

 そこで、RAC-e(電子コーナリング・セットアップ・レギュレータ)を採用、トルクの分配やビークルダイナミクスの状態を管理するなどし、200kg軽い状態に匹敵する運動性能が得られています。このようにマルチ・マテリアルとマルチ・テクノロジーによる最適化により軽量化を実現しました。

 またハイブリッドアーキテクチャーを設計する上でこれまでのガソリンエンジンとは異なる発想が必要でした。プラグインハイブリッドに必要なエアフロー、エアロダイナミクスやデザインなどです。SF90ストラダーレはそれも見事にクリアしています」

SF90ストラダーレの“SF”とはスクーデリア・フェラーリのこと。1929年に創業したエンツォ・フェラーリ氏が運営するレーシングコンストラクターで、当初アルファ・ロメオのレーシングカーを手がけていた。“90”はその90周年を意味する。

 では、プラグインハイブリッドを導入する上でフェラーリのイメージはどう変わっていくと考えられるだろう。

「このクルマだけで何かが変わるということではなく、我々は常に進化、改善していくのが目的です。商品、技術で常にトップリーダーでいることを目指したいし、新商品はいつも進化していることをお客様に約束したいです。

 また、今回SF90ストラダーレをローンチしたわけですが、我々はこのクルマをつくるにあたってかなりの額を投資してきました。その意味ではプラグインハイブリッドがこれ1台で終わるというのは考えにくいですね。市場の反応を見ながらモデルが広がることでしょう。

 ただ、我々はいつもいろいろなことを考えています。今後プラグインハイブリッド以外のパワーソースを登場させることも十分ありえます」

THE RAKE JAPAN EDITION issue 31
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