Ferrari Fashion Show / Rocco Iannone Interview

スタイルを一新した「フェラーリ」が
ミラノコレクションに初参加

March 2022

 

ロッコ・イアンノーネ/Rocco Iannone

ミラノのファッション名門校、マランゴーニ・インスティテュート卒業後、ドルチェ&ガッバーナでキャリアをスタート。その後、ジョルジオ・アルマーニで2017年まで仕事をした後、パルジレリのクリエイティブ・ディレクターに。2019年、フェラーリのクリエイティブ・ディレクターに就任。

 

 

 

「フェラーリ」は2022-2023年秋冬ミラノコレクションにてメンズ、ウイメンズ混合ショーを発表した。昨年、マラネッロのフェラーリ・ファクトリーにて、クリエイティブ・ディレクター、ロッコ・イアンノーネによる初のファッションショーを開催した「フェラーリ」だが、今回、ミラノファッションウィークへの初参加となった。

 

 

 

 コレクションは、全体的に裁断や縫製にこだわったテーラリングの要素が生かされ、内側のステッチを外側に用いて縫製されていたり、ステッチと折り伏せ縫いで肩の輪郭を強調したジャケットなどが登場。レーシングスーツのようなレザーのパッドが施されたトレンチやフェラーリレッドのシアリングの裏地を施したジャケット、同色ステッチで描かれ一見ではわからないようなロゴが入ったダウンジャケットなど、「フェラーリ」の象徴をさりげなく入れ込んだアイテムも多い。デフォルメされて迷彩柄のようになった跳ね馬のプリントもある。

 

 

 

 

 その一方で、レーシングスーツのようなオールインワンやトラックスーツ、メタリック素材で仕立てた玉虫色に見えるテーラードスーツなど、レースやマシンを連想させる素材やデザインも見られる。

 

 イアンノーネは「フェラーリの世界から派生している要素でありつつ、スピード、バーチャルリアリティ、技術研究、フェラーリの車両テストなど、形を持たないものについて伝えたいと考えました。そこから、グラフィックテーマやアイコニックなパターンについて取り組むだけでなく、可能な限り新たなビジュアル効果や加工を取り入れようと試す中で、徹底した素材リサーチを行いました」と語っている。

 

 

 

 

 そして「フェラーリ」というブランドイメージと自分の創造性のバランスを取って統合化を行い、時間の経過とともにさらにその差異を修正していけたらと思っていると言う。

 

「私の役割はキュレーターとして、具体的な物語を伝えるために一番適した視覚と物語の要素を明らかにし、それらを現代の言語として置き換えること」だと考えているとか。ターゲットを「Z世代やミレニアル世代、そして女性。旅や異なる要素のミックスに慣れ親しんだ世界の顧客層」に置いたというだけに、そのコレクションには様々な要素が交じり合い、新しい世界観を打ち出している。

 

 

 

 

 

 実際のところ、これまでフェラーリショップで扱われていた商品とはだいぶテイストが違う。が、それについてイアンノーネは「フェラーリブランドのファンからはウェアやアクセサリー製品について、より高い水準で、より高品質のものを求める声が随分以前からあったので、ファンからの反応は大変肯定的」だと言う。

 

 The Rake Japanの読者へのイアンノーネのお薦めはアウターウェアとバッグだとか。バッグの中ではユニセックスのプリントパターンのショッパーバッグが推しだそうだ。イメージを一新した「フェラーリ」のコレクションには、今後もますます期待が高まる。