ATELIER BRIO PECHINO NEW STORE

中国で一番進んでいる店は何が変わったのか?:アトリエ・ブリオ・ペキーノ

September 2021

中国のキープレイヤー、ジョージ・ワン率いるブリオ・ベイジンが新しく生まれ変わった。
ニューコンセプトのストアから新たなアジア独自のメンズウェアを発信する。
text yoshimi hasegawa

George Wang/ジョージ・ワン1980年、北京生まれ。カリフォルニアに育ち、米国の大学を卒業後、香港の金融機関に勤める。2015年、北京にブリオ・ベイジンを創設。ダルクオーレ、アットリーニなどイタリアの職人技に基づいたクラシックスタイルを中国に紹介した先駆けとなる。2020年3月に実店舗を閉鎖、オンラインストアを継続していたが、2021年6月、新天地で新たなプロジェクトを開始。

 新たなストア名はアトリエ・ブリオ・ペキーノ。前店との最大の違いは、ブリオ・ベイジンで培った5年間のテーラーリングのノウハウを基礎に、オリジナルパターンのビスポークスーツをインハウステーラーで展開する。

「彼らインハウステーラーはイタリア、日本、香港と世界中の最高のサルトリアで修業したようなものです」

 このエキサイティングな新店オープンについてジョージ・ワン氏はこう語る。

「店名をサルトリアではなくアトリエとしたのは、自社のビスポークだけでなく、他の職人との協業も視野に、サルトリアの枠を超えた機能を持たせたいと考えたからです。自社のビスポークに加え、サルトリア・ダルクオーレのMTM、サルトリア・クレセントのビスポーク、サルト・ジュンの各種ウェア、地元の中国からはアスコット・チャンとWWチャンも扱います。将来的にはMTO/MTMのレザージャケットなど、さまざまなオプションを提供する予定です。“ブリオ”は本店を意味し、北京をイタリア語で表現した“ペキーノ”は、北京が創業の地であり活動の拠点であることを表していますが、同時にイタリア語にしたのは、イタリアが私たちの美学の精神的な発祥の地であることを伝えたかったからです」

新店舗のデザインは装飾的な要素を排除し、ワン氏のテーラーリングに対する美意識を反映させたもの。正面の扉を開けると3メートルの裁断台のあるカッティングルーム、奥にテーラーのアトリエがある。メインエリアではレディ・トゥ・ウェアのニットウェア、シャツ、アクセサリー、ドレスシューズエリアはガジアーノ&ガーリング、エンツォ・ボナフェなどを販売する。店内にブリオ・ベイジンから引き継いだ理髪店も併設。

THE RAKE JAPAN EDITION issue 41
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