ADVANCE AUSTRALIAN FLAIR
俳優:ジョエル・エドガートン
オーストラリアからやってきた才能
June 2019
photography gavin bond
fashion direction jo grzeszczuk
チャコールグレイのスーツ 参考商品 シャツ 参考商品 チーフ 参考商品 all by Ralph Lauren Purple Label
ニットタイ Budd Shirtmakers
リング The Great Frog
メガネ property of Joel Edgerton
彼は、自分の人生にとって芝居の影響力が大きくなっていった理由をいくつか挙げた。
「学校では問題も起こさず、ただ演劇とスポーツに興味を持っていた。でも偉大なスポーツ選手になるのは無理だと悟った。やがてさまざまな出来事が重なり、俳優になりたいと思うようになったんだ。ひとつは、素晴らしい演劇の先生の影響で、課外授業として演劇に取り組むようになったこと。あとはシドニーのオペラハウスに演劇を観に行ったことも大きい。『学校できちんと演劇を学べば、僕もこうなれる』と思えたから、美術学校ではなく演劇学校へ進学することを決めた。そうやって演劇や映画をさらに深いレベルで好きになっていったんだ。同じ志を持つ人たちといることで、さらに奥深い経験を得られたよ」
映画という奥深い世界を知る エドガートンにとって、学校生活だけでなく家庭での生活も映画への興味を促すのに一役買っていたようだ。彼のテレビ鑑賞の習慣は、1980年代の子供の典型といえるものだった。
「演劇学校へ進学したけれど、文学や演劇についてあまりにも無知だった。アーノルド・シュワルツェネッガーやシルヴェスター・スタローンより前の映画なんて知らなかったよ。子供の頃は、とにかくスピルバーグが中心。『インディ・ジョーンズ』や『ジョーズ』、あとは『グーニーズ』や『スター・ウォーズ』も。次が、チャック・ノリスや武術映画。あとは、『コマンドー』、『コブラ』、『ランボー』みたいな筋肉系映画(笑)。そういう映画ばかり観て育ったんだ。70年代以前の名作について知ったのは、演劇学校に入ってからだった。それまでは、エンターテインメントとして観ていたんだ」
当時の演劇学校は今とは違って、学生にとって名声や富への近道などではなかった。脇役の俳優と同じく、オーディションのために電話をかけ、劇場に出演して、テレビ番組のちょい役を獲得するまでに想像できないほどの時間がかかるものだった。エドガートンの場合も、初めは警察もののドラマシリーズの一話に出演するところからスタートした。しかし、ここから知名度を上げて世間から注目を集め、家賃を払えるまでになることは、エドガートン曰く、「ブロードウェーもウエストエンドもない」国では、とてつもなく難しいことなのだ。
「オーストラリアにはまだまだミクロな映画文化しかない。質が低いという意味ではないけどね」
期待と野心の綱渡り 彼が目指すところまで到達するためには、自ら奇跡を信じて突き進むしかなかった。待っていても何も始まらない。次のステップへ進もうとする場合、かなり前から舞台の仕事を入れないようにする必要があった。
カシミアジャケット Thom Sweeney
ニット Cerruti 1881
ホワイトデニム Gieves & Hawkes
シューズ「ASHTON」(参考色) John Lobb
チーフ Dunhill
ソックス ¥2,800 Pantherella
本記事は2017年3月24日発売号にて掲載されたものです。
価格等が変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
THE RAKE JAPAN EDITION issue 15
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